会社更生手続き中の日本航空が、同社の稲盛和夫会長が塾長を務める私的団体「盛和塾」の会員に対し、ツアー割引などの特典サービスを提供していたことが分かった。前原誠司国土交通相は14日の閣議後記者会見で「公平性を欠くダンピング競争は厳に慎んでいただきたい」と述べ、事実関係を調べる考えを示した。
日航によると、対象は盛和塾の約5500人。会員が日航グループの国内・国外ツアーを予約すると通常価格の8%引きで利用できるほか、会員が紹介した人が日航便を利用すると、国内線では通常のマイレージに300マイルがプラスされ、国際線では通常の2倍のマイルがたまるようにしているという。業界関係者には「公的資金を受けている企業としては考えられない」という声があるが、日航は「普段使っていない人に乗ってもらうためのサービスで、他の法人割引と同等だ」としている。
盛和塾は稲盛会長の経営哲学に賛同する若手経営者が参加している。