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南アフリカW杯日本代表のサポートメンバーとして現地帯同を辞退する意向を示しているC大阪のMF香川真司(21)について14日、正式にメンバーに選出されればC大阪が「帯同」を説得することになった。7月にドイツ・ドルトムントへの移籍が決まり、国内での調整の希望を日本協会に伝えているが、17日の正式発表でも選ばれれば、クラブ側としても、各方面への影響を考え、“強権”を発動する。一方、この日、広島のDF槙野智章(23)も同じく辞退の意向を示していることが分かった。
香川の海外移籍について、常に“後押し”の姿勢を取ってきたC大阪にとっても、頭の痛い問題だ。香川本人の意向は、すでに協会に伝わっているが、「それでも選ばれるなら、(南アに)行かせる方針です」と、クラブ関係者が複雑な表情で明かした。C大阪でのラストマッチとなる神戸戦(15日・長居)の後、この件について再度話し合いを持ち、17日のメンバー正式発表を待つ。
W杯出場とともに、念願だった海外移籍の実現。7人の予備登録メンバーに名を連ねている香川は、唯一、前倒しでサポートメンバーとしても発表された。南ア帯同で、国内で調整する他の予備登録メンバーより、23人に入る可能性は高いものの、それもあくまでけが人が出た場合の話。現地で事実上の“練習台”としての日々を送ることは、万全の状態でドイツへ渡りたい21歳にとっては、何とも微妙な位置付けだ。
15日には日本協会の原博実技術委員長(51)が長居を訪れ、協会の考えを直接伝える。協会関係者は、「本人とクラブの話し合いの中で、本人が(サポートメンバーとしての帯同を)了承しないと、強制できない」と話すが、平成生まれで初めて日本代表に招集された才能豊かなMFに、将来のためにW杯本番の雰囲気を味わわせたいのも事実。現状では辞退の意向がそのまま受け入れられるかどうか微妙だ。ただ、6月まで香川との契約が残るC大阪としては、「それでも香川」と選ばれた場合、辞退となれば各方面に“示し”がつかない。それだけに、説得に乗り出す苦渋の決断となった。
この日、大阪市内の練習場で、神戸戦に向けて練習を行った香川。「今は明日(15日)の試合に集中したい」と多くを語らなかった。ただ今は、「協会の人の言うことを信じるだけ」と自身の意向が尊重されることを望むばかりだ。
(2010年5月15日10時39分 スポーツ報知)