世界の市場が再びうつむき加減になっています。
そうは言っても欧米の株式市場とアジア(例えば中国や日本)ではチャートのカタチがぜんぜん違います。
【欧米市場】
ドイツのDAX指数、英国のFTSE100指数、アメリカのダウ工業株価平均指数などは先週の急落の際にハッキリとした底値をつけて急角度で反発しました。
よほどの事が無い限り、先週のザラバ安値を再び割り込むことは無いというのが僕の考えです。
従って、今日からの下げは「買い場探し」の局面になります。
【アジア市場】
これに比べて日経平均は安値からの反発が鈍かったですね。上海総合指数に至ってはそもそも反発らしい反発すらなく、ガッチリとダウントレンドにおさえこまれています。
このへんは持っている理由はありません。
【FX】
ユーロは安値あたりをウロウロしています。
個別の国のデフォルト保険(CDS)が下がっている(=つまりデフォルトのリスクが下がっていると市場は判断)のにもかかわらずユーロがモタモタしているということは、リスクが個々の国から欧州連合(EU)へと転移したと判断して良いです。
ユーロ安はダイムラー、シーメンス、BMW、ルイヴィトンなどの欧州を代表する一流輸出企業にとって恵みの雨。好感すべき材料です。
だからユーロが安値を更新したからと言って心配するには及びません。
【EUはどうなる?】
これに関しては月曜日の超大型救済パッケージの発表後の一連の相場の動きでかなり行く末が見えてきました。
そうは言っても欧米の株式市場とアジア(例えば中国や日本)ではチャートのカタチがぜんぜん違います。
【欧米市場】
ドイツのDAX指数、英国のFTSE100指数、アメリカのダウ工業株価平均指数などは先週の急落の際にハッキリとした底値をつけて急角度で反発しました。
よほどの事が無い限り、先週のザラバ安値を再び割り込むことは無いというのが僕の考えです。
従って、今日からの下げは「買い場探し」の局面になります。
【アジア市場】
これに比べて日経平均は安値からの反発が鈍かったですね。上海総合指数に至ってはそもそも反発らしい反発すらなく、ガッチリとダウントレンドにおさえこまれています。
このへんは持っている理由はありません。
【FX】
ユーロは安値あたりをウロウロしています。
個別の国のデフォルト保険(CDS)が下がっている(=つまりデフォルトのリスクが下がっていると市場は判断)のにもかかわらずユーロがモタモタしているということは、リスクが個々の国から欧州連合(EU)へと転移したと判断して良いです。
ユーロ安はダイムラー、シーメンス、BMW、ルイヴィトンなどの欧州を代表する一流輸出企業にとって恵みの雨。好感すべき材料です。
だからユーロが安値を更新したからと言って心配するには及びません。
【EUはどうなる?】
これに関しては月曜日の超大型救済パッケージの発表後の一連の相場の動きでかなり行く末が見えてきました。
先ず、「ドイツがEUを脱退する」などという滑稽なシナリオはもう無くなったということです。
これについては大事な問題なので少し説明させて下さい。
「ギリシャやスペインの尻拭いはまっぴら御免だっ!」
そういう声は今でもドイツ国内に根強くあります。
でもそれは普段ビジネスに関わっていない人々が持っている意見で、ビジネスマンはそういう考え方をしません。
ダイムラーやBMWなどの輸出型企業に勤めている人なら、共通通貨ユーロを使い始めてから、いかにユーロ域内の市場が拡大したかを毎日ひしひし感じていたと思うのです。
もっと直截な言い方をすれば南欧市場の拡大です。
だからスペインやギリシャが共通通貨になったことを恨むビジネスマンは居ません。
ドイツは第一次世界大戦の前から「放っておけば、知らず知らずのうちに国内の生産力が国内の市場規模を遥かに上回る」体質でした。
これは市場を求めて資本家が海外に乗り出さないといけなくなることを示唆しています。
軋轢はここから生ずるのです。
1929年の大暴落の後は世界の国々が自国の経済圏を形成し、一方で自国通貨を安値誘導し競争力を高めるとともに関税などで外国からの商品の流入を阻止しようとしました。
所謂、経済のブロック化です。
すると外国の市場からどんどん締め出されると、国際対立の構図になるわけです。
当時の言葉では、例えば「大東亜共栄圏」というのがありますが、これなど各国がどういうメンタリティーに突き動かされていたかを象徴する言葉です。
【ECSCが出来たわけ】
第二次大戦後、アメリカの肝いりで欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)が出来たのは、そういう潜在生産力と消費市場の不釣り合いを国籍や言語を超えた広い経済圏の中で調整しようとすることで摩擦回避する知恵だったのです。
つまり「ドイツさんは生産が得意だから、一定のきまりの中でオーバーシュートしても構いません。でも軍備とかに生産を回すのだけはやめてください」、「域内でバランスが取れればいいわけだから、関税とかは撤廃し、自由価格を守りましょう」など、幾つかのきまりがこれによって出来たわけです。
別の言い方をすれば、軍事作戦によって強引に市場を切り拓くこれまでの悪弊をやめたのです。
【ドイツEU脱退論の滑稽さ】
すると現代に戻って「ドイツはギリシャの面倒が見たくないから、EUを脱退すべきだ」式の議論を考え直した時、その滑稽さはあきらかです。
これは喩えれば、日本が中国やアメリカと仲良く貿易をすることを止め、閉じた経済の中で生きてゆく途を歩み始めるのと同じような発想です。
若し国がそんな発表をしたら、ソニーやトヨタはグローバル・ヘッドクウォーターを欧州や北米に移してしまうでしょうね。
「ドイツはEUを脱退すべき」という主張は、「自分は救済のカネは出したくない」という気持ちから出てきた発想で物事の因果の全体が見えていません。結果としてそれは「ドイツの北朝鮮化」を主張することになるのです。
BMWやダイムラーの経営者が本気で隠遁国家を標榜するという風には僕には到底想像できません。
【ユーロ安は歓迎】
繰り返しになりますが、ユーロ安はEUが現在直面している問題から這い上がるためには必要なことだし、歓迎すべき事だし、有利な展開です。
これは円安になると日経平均が上がりやすいのと同じ発想です。
この単純なコンセプトが理解できない人は投資には向いていません。
これについては大事な問題なので少し説明させて下さい。
「ギリシャやスペインの尻拭いはまっぴら御免だっ!」
そういう声は今でもドイツ国内に根強くあります。
でもそれは普段ビジネスに関わっていない人々が持っている意見で、ビジネスマンはそういう考え方をしません。
ダイムラーやBMWなどの輸出型企業に勤めている人なら、共通通貨ユーロを使い始めてから、いかにユーロ域内の市場が拡大したかを毎日ひしひし感じていたと思うのです。
もっと直截な言い方をすれば南欧市場の拡大です。
だからスペインやギリシャが共通通貨になったことを恨むビジネスマンは居ません。
ドイツは第一次世界大戦の前から「放っておけば、知らず知らずのうちに国内の生産力が国内の市場規模を遥かに上回る」体質でした。
これは市場を求めて資本家が海外に乗り出さないといけなくなることを示唆しています。
軋轢はここから生ずるのです。
1929年の大暴落の後は世界の国々が自国の経済圏を形成し、一方で自国通貨を安値誘導し競争力を高めるとともに関税などで外国からの商品の流入を阻止しようとしました。
所謂、経済のブロック化です。
すると外国の市場からどんどん締め出されると、国際対立の構図になるわけです。
当時の言葉では、例えば「大東亜共栄圏」というのがありますが、これなど各国がどういうメンタリティーに突き動かされていたかを象徴する言葉です。
【ECSCが出来たわけ】
第二次大戦後、アメリカの肝いりで欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)が出来たのは、そういう潜在生産力と消費市場の不釣り合いを国籍や言語を超えた広い経済圏の中で調整しようとすることで摩擦回避する知恵だったのです。
つまり「ドイツさんは生産が得意だから、一定のきまりの中でオーバーシュートしても構いません。でも軍備とかに生産を回すのだけはやめてください」、「域内でバランスが取れればいいわけだから、関税とかは撤廃し、自由価格を守りましょう」など、幾つかのきまりがこれによって出来たわけです。
別の言い方をすれば、軍事作戦によって強引に市場を切り拓くこれまでの悪弊をやめたのです。
【ドイツEU脱退論の滑稽さ】
すると現代に戻って「ドイツはギリシャの面倒が見たくないから、EUを脱退すべきだ」式の議論を考え直した時、その滑稽さはあきらかです。
これは喩えれば、日本が中国やアメリカと仲良く貿易をすることを止め、閉じた経済の中で生きてゆく途を歩み始めるのと同じような発想です。
若し国がそんな発表をしたら、ソニーやトヨタはグローバル・ヘッドクウォーターを欧州や北米に移してしまうでしょうね。
「ドイツはEUを脱退すべき」という主張は、「自分は救済のカネは出したくない」という気持ちから出てきた発想で物事の因果の全体が見えていません。結果としてそれは「ドイツの北朝鮮化」を主張することになるのです。
BMWやダイムラーの経営者が本気で隠遁国家を標榜するという風には僕には到底想像できません。
【ユーロ安は歓迎】
繰り返しになりますが、ユーロ安はEUが現在直面している問題から這い上がるためには必要なことだし、歓迎すべき事だし、有利な展開です。
これは円安になると日経平均が上がりやすいのと同じ発想です。
この単純なコンセプトが理解できない人は投資には向いていません。