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iPad上陸間近。世界を変える商品の作り方 - 小川浩( @ogawakazuhiro )
2010年05月13日22時42分 / 提供:アゴラ
みなさんはもう予約されましたか、iPad。
僕は3GとWi-Fiモデルを1台ずつ、予約受付日である5月10日に申し込みました。
iPhone以前のケータイ(BlackberryやWin Mobileなどのスマートフォンも含む)は、固定電話をワイヤレスにしたことで電話を再定義したことはイノベーションでしたが、(物理的な)ハードウェア(ダイアルやテンキー)で制御されたハードウェアです。
しかし、iPhoneは(仮想的な)ソフトウェアで制御されることで、それまでのケータイを時代遅れにした革新的なハードウェアです。
iPadはまさしくiPhoneと同じです。ノートパソコンが持ち運びできるパソコンとして再定義されたコンピュータであっても、同じく物理的なハードウェアが制御するハードウェアであったのに対し、iPadは(仮想的な)ソフトウェアで制御されることで、それまでのパソコンを時代遅れにした革新的なハードウェアなわけです。
iPadは、商業的な成功は間違いのない商品ですが、商品としてのカテゴリー自体の成功が約束されたわけではありません。もちろん僕はiPadが切り開いていくだろう、このタッチスクリーン型の、スマートフォンとノートパソコンの間を埋めるカテゴリーは、相応に大きなものとは思っています。ただ、それがPalmが生み出したPDA市場がスマートフォンに変容することで生き残りをはかり、それがいつのまにかiPhoneというモンスターにとってかわられたように、カテゴリー自体が変質していくこともありえます。
ノートパソコン市場も、携帯性と低価格(5万円程度)を売り物にしたネットブックと、それ以外の高機能機(価格帯では10万円以上の機種を高級機市場とカテゴライズしています)に分化し、ネットブックは台湾勢とそれ以外の群雄割拠、高級機はほぼMacが独占するという状態になっていました。今回のiPadは、ネットブックの市場を確実に浸食していくとは思いますが、現状のiPadはiPhoneと同じようにPC/MacのiTunesとの同期が必要であるため、当分はそれほど大きなインパクトがみえてくることはないでしょう。
しかし、断言しますがiPadはiPhoneとは別の意味で世界を変えていくデバイスです。
僕はわりとスパッと割り切った物言いを好むというか、シンプルに思うところを断定的に言う癖があります。意見を言うからには物事を分かりやすく伝える必要があると思うからです。
つまり、複雑に絡み合う世の中の事象や、読み取りづらい世界の変化の予兆を推測したり予測することが非常に難しいからこそ、それを公に伝えるチャネル(このBlogや著作などがそうです)を持たせている以上は、吐いた意見に対する批評や反論を受けるかもしれない ”リスクをとって” 、思うところを明確に言おうと考えてきました。
最近、ITジャーナリストの林信行さんと話す機会があり(月に一度はお会いしているのですが)、彼が教えてくれたAppleのティム・クックCOOの台詞がとても心に刺さったので、ここでそのエッセンスを意訳して紹介します。
『世の中にはさまざまな製品やライフスタイルが氾濫して選択肢が多すぎだから消費者は疲れている。多くのメーカーは消費者に選択肢を与えているようで、実は混乱させてしまっていることに気づかない。だからAppleはリスクをとって、その中からAppleが最も良いと考えるものを2つか3つに絞り込んで製品として作って提案している。』
Apple以外のメーカーは、ユーザーの声を聞く、という言い訳のもとで、「欲しいものを言ってください、それを全部作りますよ」、という姿勢をとっている。しかしAppleはそれはメーカーとして、いやクリエイターとして怠慢だろうと言ってるのだと僕は考えます。
僕は3GとWi-Fiモデルを1台ずつ、予約受付日である5月10日に申し込みました。
iPhone以前のケータイ(BlackberryやWin Mobileなどのスマートフォンも含む)は、固定電話をワイヤレスにしたことで電話を再定義したことはイノベーションでしたが、(物理的な)ハードウェア(ダイアルやテンキー)で制御されたハードウェアです。
しかし、iPhoneは(仮想的な)ソフトウェアで制御されることで、それまでのケータイを時代遅れにした革新的なハードウェアです。
iPadはまさしくiPhoneと同じです。ノートパソコンが持ち運びできるパソコンとして再定義されたコンピュータであっても、同じく物理的なハードウェアが制御するハードウェアであったのに対し、iPadは(仮想的な)ソフトウェアで制御されることで、それまでのパソコンを時代遅れにした革新的なハードウェアなわけです。
iPadは、商業的な成功は間違いのない商品ですが、商品としてのカテゴリー自体の成功が約束されたわけではありません。もちろん僕はiPadが切り開いていくだろう、このタッチスクリーン型の、スマートフォンとノートパソコンの間を埋めるカテゴリーは、相応に大きなものとは思っています。ただ、それがPalmが生み出したPDA市場がスマートフォンに変容することで生き残りをはかり、それがいつのまにかiPhoneというモンスターにとってかわられたように、カテゴリー自体が変質していくこともありえます。
ノートパソコン市場も、携帯性と低価格(5万円程度)を売り物にしたネットブックと、それ以外の高機能機(価格帯では10万円以上の機種を高級機市場とカテゴライズしています)に分化し、ネットブックは台湾勢とそれ以外の群雄割拠、高級機はほぼMacが独占するという状態になっていました。今回のiPadは、ネットブックの市場を確実に浸食していくとは思いますが、現状のiPadはiPhoneと同じようにPC/MacのiTunesとの同期が必要であるため、当分はそれほど大きなインパクトがみえてくることはないでしょう。
しかし、断言しますがiPadはiPhoneとは別の意味で世界を変えていくデバイスです。
僕はわりとスパッと割り切った物言いを好むというか、シンプルに思うところを断定的に言う癖があります。意見を言うからには物事を分かりやすく伝える必要があると思うからです。
つまり、複雑に絡み合う世の中の事象や、読み取りづらい世界の変化の予兆を推測したり予測することが非常に難しいからこそ、それを公に伝えるチャネル(このBlogや著作などがそうです)を持たせている以上は、吐いた意見に対する批評や反論を受けるかもしれない ”リスクをとって” 、思うところを明確に言おうと考えてきました。
最近、ITジャーナリストの林信行さんと話す機会があり(月に一度はお会いしているのですが)、彼が教えてくれたAppleのティム・クックCOOの台詞がとても心に刺さったので、ここでそのエッセンスを意訳して紹介します。
『世の中にはさまざまな製品やライフスタイルが氾濫して選択肢が多すぎだから消費者は疲れている。多くのメーカーは消費者に選択肢を与えているようで、実は混乱させてしまっていることに気づかない。だからAppleはリスクをとって、その中からAppleが最も良いと考えるものを2つか3つに絞り込んで製品として作って提案している。』
Apple以外のメーカーは、ユーザーの声を聞く、という言い訳のもとで、「欲しいものを言ってください、それを全部作りますよ」、という姿勢をとっている。しかしAppleはそれはメーカーとして、いやクリエイターとして怠慢だろうと言ってるのだと僕は考えます。
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