高木マニア堂
何となく思いついたこと、目についたことをツラツラと…。
157:何者なんだ?ミスター念力
<2008年9月=東スポ携帯サイトより>
以前にも検証したが、インド人とは実に不思議なイメージを持つ。しかも国際的に。
日本では昔からサーベルを振り乱したり、カレーを食べてビックリしたり、転校してくるなり学校に花壇を作ったり、日本から訪ねてきた若者に秘術を授け、レインボーマンに変身させたり…というイメージが根強い(ごく一部か?)。
現在では数学(なにしろゼロの概念を発見した偉大なる民族だ)やITに強いというインド人観も強い。だが、その妖しいインド人観を幼年期に植えつけられた人間は今も数多い。
アメリカやイギリスで話題となっていたユリ・ゲラーの来日が待たれていた1973年。「インド人=念力使い」という決定的なイメージを植えつける米国産アニメが、何とNHKで放送されていた。
その名は「ミクロ決死隊」(米・フィルメーション社)という。
この時代、超能力はサイコキネシスもテレパシーも混同しつつブームを巻き起こしていた。超能力少年を主人公とした「バビル二世」も人気が高かったし、翌1974年から放送された「ウルトラマンレオ」に登場したモロボシ・ダンはウルトラセブンへの変身能力を失った代わりに「ウルトラ念力」を多用していた。目黒祐樹主演で実写映画化されたルパン三世も「念力珍作戦」なる副題が付いていた。
ミクロ決死隊の原題は「FANTASTIC VOYAGE」。
そう、あの傑作SF映画「ミクロの決死圏」(1968年・米国)と全く一緒だ。潜航艇に乗り込み、それごと超ミクロ化するまでの基本線は一緒だが、出演メンバーや事件の解決方法が全く違う。
同一タイトルなので混同しやすく、ややこしい事この上ないが「ミクロ決死隊」は「ミクロの決死圏」のアニメ化作品ではない。フィルメーション社では「スタートレック」(初回放送時の邦題は「宇宙大作戦」)のアニメ版である「まんが宇宙大作戦」を製作していたが、これはさすがに別物だろう。たぶん。
何しろ決死隊ときたら、大抵のピンチ、トラブルを「ミスター念力」なる謎のインド人が右手をかざし「ネンリキ~っ!」と叫ぶだけで解決してしまうのだ。西部警察の大門団長よろしく、事件を強引に解決する主役は完全にミスター念力だ。もしかると決死隊がミクロ化するのも、ミスター念力の力を借りているのかも知れない。
決死隊のメンバーは、初期のタモリの如く、左目に黒いアイパッチを着けた隻眼のリーダー「ブラックアイ」、生物学者で唯一の女性隊員「ミス・フラワー」、そして決死隊の科学兵器を発明する科学者で、くいだおれ人形似のメガネ男が「学者くん」(何とテキトーな命名…。アパッチ野球軍の頭のいい奴=「大学」というのと同じセンスだ!)。
そしてミクロ決死隊の制服に身を包んだ3人と行動を共にするのが、1人だけ制服ではなくターバンとインド風(?)衣装を身にまとったミスター念力なのだ。
「謎のインド人」と称される通り、当時、番組を見ていた限りでは、何を目的に決死隊に参加しているのかは不明だった。ただ、ミスター念力がいなければ、決死隊は、とっくの昔に全員殉職していたことだろう。
「タイムリミット、12時間!」と、ナレーションでピンチを煽りまくりつつ、いつも科学力ではなく、謎のインド人の念力によってピンチを脱出していたミクロ決死隊。実に不思議な番組だった。
近い将来、米国で最新CGやSFXを駆使して「ミクロの決死圏」がリメイクされることもあるだろう。この時、ついウッカリと同じ原題に騙され、ミスター念力の登場する「ミクロ決死隊」をリメイクして欲しいものだ。
んんん。ネンリキ~っ!
本日の見出し
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