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赤旗配布で2審は逆転無罪 規制は憲法違反 「公務に影響なく行政の中立性侵害なし」と判決 (1/2ページ)
国家公務員にもかかわらず共産党の機関紙「しんぶん赤旗」を配ったとして、国家公務員法違反罪に問われた元社会保険庁職員、堀越明男被告(56)の控訴審判決公判が29日、東京高裁で開かれた。中山隆夫裁判長は罰金10万円、執行猶予2年とした1審東京地裁判決を破棄、「堀越被告を処罰することは、国家公務員の政治活動の自由に対する必要やむを得ない限度を超えた制約で憲法に違反する」として、逆転無罪を言い渡した。
公務員の政治的行為を禁止する規定が、表現や政治活動の自由を保障する憲法に違反するかが最大の争点。弁護側は「配布を職場と離れた場所で休日に行った。公務に影響のない私的な行為で行政の中立性を侵害していない」などと無罪を主張していた。
中山裁判長は、堀越被告の行為を「公務員であることを明らかにせず、機関紙を配布したに過ぎない。発行や編集に比べ政治的偏向が明らかに認められるというものではない」と指摘。「行政の中立的運営や国民の信頼の確保を侵害するとは考えられない」と判断した。