白鵬、輪島パワーで輪島のＶ１４に並ぶ！…夏場所６日目

６連勝の白鵬は、懸賞金をわしづかみにして土俵を下りる

　◆大相撲夏場所６日目　○白鵬（寄り切り）若の里●（１４日・両国国技館）　横綱・白鵬が西前頭３枚目の若の里を寄り切り６連勝を飾った。今場所は元横綱・輪島に並ぶ歴代６位の１４回目の優勝へ挑んでいるが場所中にその輪島大士さん（６２）と会食することが判明。偉大な先輩から直接、エールを受け２場所連続優勝への追い風にする。新大関・把瑠都と平幕の霜鳳も全勝を死守。１敗は平幕の朝赤龍、白馬、阿覧、猛虎浪の４人となった。

　完勝だ。白鵬が立ち合いで右を差すと若の里は無抵抗状態。左でまわしも引かず腕を抱えわずか２秒６で寄り切った。「早かったね」。自画自賛の６連勝。理事長室では武蔵川理事長（元横綱・三重ノ海）が「言うことがない」とあまりの強さに言葉も失うほどだった。

　今場所は尊敬する横綱・輪島の１４回目の優勝へ挑戦する。横綱昇進前からＤＶＤで「黄金の左」とうたわれた現役時代の取組を研究。白鵬が上手、輪島さんは下手と違いはあるが共に左からの投げが必殺技。「足腰の強さ。抜群の投げのタイミングは勉強になる」とあこがれる。

　白鵬にとって輪島さんはいわば生きた教科書。そのあこがれの大先輩と場所中に会食を予定している。これまでも何度か食事をしているが、今回の対面は格別だ。部屋関係者も「すごく楽しみにしています」と明かすなど直接のアドバイスとエールは最高の刺激と勇気。優勝争いが佳境に入る後半戦へ最高の追い風となる。

　この日、輪島さんは石川県に滞在。テレビで白鵬の完勝を見守り「万全です。言うことがない」と絶賛。ただし、優勝は「まだ分かりません」。厳しい口調で手綱を緩めるなとアドバイスを送った。場所中の会食でも横綱の帝王学を伝授する。

　一人横綱も２場所目。重圧はあるが「いい緊張感で相撲が取れている」。７日目は４大関を連破した栃ノ心の挑戦を受ける。場所前にはけいこで胸を貸した。相手の好調を「俺がけいこをつけてやったからだ」と貫禄を見せつけた。「自分の相撲を取るだけ」。連勝を重ね、あこがれの輪島さんへ一歩ずつ近づいていく。