監督通算500勝を達成し、ウイニングボールを手にファンに手を振る原監督(撮影・園田高夫)
「巨人9-1西武」(13日、東京ド)
これが“原流”だ。電光掲示板に「祝 原監督500勝」の文字が浮かぶと、割れんばかりの拍手が沸き起こった。ウイニングボールを藤井から手渡された巨人の原監督は、高々と右手を掲げ、ファンの歓声に応えた。そして次の瞬間、大きく振りかぶると、一塁観客席へポイッと記念の白球を投げ入れてしまった。
史上26人目、巨人の監督では水原監督、川上監督、藤田監督、長嶋監督に次いで5人目の500勝。名将たちと肩を並べた原監督だが、惜しげもなくファンにプレゼントしたのには理由がある。それは「一足飛びで500勝はできないが、ファンのおかげというのがある」からだった。
区切りの勝利は、ド派手だった。4本塁打を含む13安打で9得点。前日、岸に4安打に封じられた悪夢を吹き飛ばした。中でも、坂本が大暴れ。三回にはプロでは2本目の右翼方向への一発を放ち、五回にはダメ押しの2ラン。成長著しいまな弟子に指揮官は「まだまだ発展途上」と言いながらも「日本を代表する中島が同じポジションにいる。彼の前でいい打撃ができたのは勇人にとって大きい」と目を細めた。
西武との対戦成績を1勝1敗とし、交流戦をスタートした原巨人。「500勝というよりは、今日勝ったことで、安心というかうれしさがある」。区切りの1勝もただの通過点。原監督はさらなるステージへ突き進む。
(2010年5月13日)