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国会改革関連法案を与党提出 小沢氏肝いり、野党は反発

2010年5月15日0時58分

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 民主党の小沢一郎幹事長の肝いり法案が14日、衆院に提出された。官僚答弁の禁止や副大臣、政務官の増員を柱とする国会改革関連法案だ。だが、民主、社民、国民新の与党3党が与野党協議に見切りをつけ、提出に踏み切ったことに野党側は激しく反発。終盤国会は荒れ模様になってきた。

     ◇

 「右の議案を提出する」。この日、法案の条文とともに用意された提出書類の頭書きには提出者名が列挙された。筆頭は「小沢一郎」だった。

 衆院事務総長室に条文を届け出たのは、小沢氏側近の岡島一正、樋高剛の両衆院議員ら4人。「これが法案です」。岡島氏は声に力を込めながら手渡した。

 この法案にかける小沢氏の思い入れは強い。旧自由党党首時代の1998年に自民党の小渕政権と連立合意した翌99年、最初の国会審議活性化法を成立させ、政府委員制度の廃止や党首討論の新設を勝ち取った。政権交代後の昨年秋から「さらなる国会改革」を訴え続け、自ら党政治改革推進本部の本部長に就任。側近らに法案作成を指示した。

 今年1月初めの与野党国会対策委員長会談。小沢氏側近の山岡賢次氏は法案骨子を野党に手渡し、与野党協議を呼びかけた。だが、通常国会の開会直前に小沢氏の土地取引事件をめぐって元秘書の石川知裕衆院議員らが逮捕され、与野党協議の機運は遠のいた。

 それから4カ月。相変わらず小沢氏の政治資金問題は批判を受け続けており、野党側の姿勢が軟化する気配もない。民主党内には「野党の合意なしに法案を提出すれば、すべての委員会審議が止まってしまう」(党国対幹部)との慎重論もあったが、最高実力者の小沢氏の意向は無視できなかった。

     ◇

 野党側はこの日、与党が法案提出に踏み切らないよう横路孝弘衆院議長にあっせんを要請していた。だが、与党はそれを待たずに提出に踏み切った。

 国会運営の制度変更は与野党合意が原則とされてきた。それだけに、野党側は激怒。自民党の谷垣禎一総裁は同日、「国会運営は与野党で積み上げた。我々が与党時代に力で押しつけた先例はない」と批判し、「ルールを無視した小沢氏の力の論理、数の論理だ。法案提出は小沢思想の表現だ」と語気を強めた。

 審議拒否には慎重な公明、共産両党も態度を硬化させた。公明党の漆原良夫国対委員長は「国会の機能を弱める法案で、ミサイルを発射台に載せた。横暴きわまりない」と反発。与党が採決を急げば「国会の心臓をぶち抜くような話で、相当大きな混乱が生じる」と予告した。

 共産党の穀田恵二国対委員長も「ルールを政権党の都合で変えれば国会が国会でなくなる。重大な決意で対応する」。内閣法制局長官の答弁を禁じる内容にも「時の政府の都合で憲法解釈が変わる可能性がある」と批判した。

 衆参で過半数を握る与党が採決を強行すれば、野党はひとたまりもない。与野党対決のカギを握る公明党の国対幹部はこう語った。「与党が国会改革関連法案の審議を動かせば、野党がそろって審議を拒否することもあるかもしれない」(渡辺哲哉、藤田直央)

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