宮崎の口蹄疫、農水省疫学チームが現地調査
宮崎農政事務所で開かれた第1回検討会
県内で家畜伝染病「口蹄疫」に感染した牛が見つかった問題で、学識者らで作る農林水産省の疫学調査チームは29日、現地調査と検討会を行い、今後、情報収集とウイルス侵入の時期などを整理する方針を決めた。同日午前には山田正彦・農林水産副大臣が県庁で東国原知事と意見交換した。
疫学調査チームは、大学教授や県延岡家畜保健衛生所の職員ら6人の委員で構成。委員は20日に1例目が発生した都農町の農場を訪れ、立地条件や人の出入り、飼育法などを調べた。その後、宮崎市の宮崎農政事務所で1回目の検討会を非公開で開催した。
会議後に取材に応じた、チーム長で独立行政法人動物衛生研究所(茨城県つくば市)の津田知幸・企画管理部長は「感染要素は動物、エサ、人、車両、機材などいろんな要素があり、調べなければならない」と述べた。
一方、山田副大臣との意見交換で、知事は家畜の薬殺処分や防疫作業で現場の職員らが疲労していることなどを説明し、「感染経路がわかれば事前の防御もできる。絞り込みをしてほしい」と要望。農家に生じている負担にも触れ、「生活や経営を安定させ、安心できるよう予算措置にも目配りを」と訴えた。
山田副大臣は「農家が再生するための資金については、弾力的な運用を考えたいので安心してほしい。国も総力を挙げて取り組むので、とにかく病気を封じ込めて」と応じていた。
(2010年4月30日 読売新聞)