民主党の議員たちに政権与党という意識がない
私は普天間問題について、何人もの民主党議員に直接話を聞いた。答えは、全員が「あれは官邸の問題です。私たちはタッチしていません」というものだった。
民主党の大臣にも議員たちにも、小沢さんを含め、政権与党だという意識がないのではないか、と私は強く思う。意識としては、まだ野党なのだ。普天間問題はもともと鳩山さんが言い出した問題だが、ケリをつけ、まとめ上げるのが政権与党ではないのか。
自民党時代に普天間問題をまとめ上げたのは梶山静六さんや野中広務さんたちで、彼らが官房長官としてけん引役となり、その下で岡本行夫さんが動いた。かつてはこの問題を解決するために懸命に打ち込む人がいた。
だが民主党にはこういう人がいない。ある問題をまとめようとする、あるいは皆で解決に向かって懸命に取り組むという姿勢が根本的に欠けているのではないか。まだ意識は野党で、「私は知らないよ」としらを切る。野党ならそれでもいい。だが政権与党ではそうはいかない。
私は5月8日土曜日に公邸で鳩山首相と会った。そして普天間問題は今、非常に困難な事態にあるということが、とてもよくわかった。
鳩山さんの周りにいる主要閣僚たちがいろいろなアイデアを持ってくる。名護市辺野古沿岸部の「くい打ち桟橋方式」とか、徳之島への分散とか。それが善意であることは疑わないが、しかしどれも確たる提案ではないのだ。