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わかる:宮崎・牛口蹄疫疑い 風評被害防止に懸命 産出額全国3位の畜産県

 宮崎県都農町の畜産農家で20日、口蹄疫(こうていえき)に感染した疑いが強い牛3頭が確認され、県内の畜産関係者の間に衝撃が広がった。口蹄疫は近年、中国や韓国でも発生しているが、県は00年の口蹄疫や、07年の鳥インフルエンザの教訓を生かし、まん延防止対策に素早い対応を見せた。口蹄疫は人には感染せず、移動・搬出制限措置で感染した牛の肉や牛乳が市場に出回ることもない。県は風評被害の防止にも懸命だ。【石田宗久、小原擁】

■偶蹄類間で感染

 口蹄疫は、牛や豚などひづめが二つに割れた偶蹄(ぐうてい)類の動物にウイルス感染する。感染すると元気がなくなり、口中粘膜のかいようや発熱などの症状が出る。発育不良や運動障害のほか、生乳収量が減ったり子牛が死ぬなど、生産効率が低下する。感染力が強く、輸出も制限されるため経済的影響は大きい。

 感染源としては飼料の輸入麦ワラや人の移動などが疑われてきたが、断定には至っていない。宮崎市で00年に起きた口蹄疫も特定はできなかった。過去の経験から、県内の畜産農家は日ごろから消毒に気をつけているといい、畜産関係者は「なぜ」と首をひねる。

■「封じ込め」がカギ

 宮崎県は07年、肉用牛約7万9000頭を出荷。産出額は621億円で、全国3位のシェアを占める畜産県だ。霜降りの高級牛を「宮崎牛ブランド」で売り出し、東国原英夫知事もトップセールスで消費拡大に力を入れてきた。07年に開かれた「全国和牛能力共進会」では9部門中7部門で最優秀賞を受賞するなど肉質の評価も高く、香港や米国などにも輸出されている。

 そんな中で再び起きた口蹄疫。畜産関係者が最も恐れるのが、風評被害による消費者の宮崎牛離れだ。

 県は00年の口蹄疫、07年の鳥インフルエンザの教訓を基に、消毒などの防疫対策マニュアルを作っている。感染拡大を防ぐため対策本部の設置や関係自治体への連絡も手際よく進め、今回も午前5時前に農水省から連絡を受けると、ただちに関係自治体を通じて畜産農家に移動の自粛を呼び掛けた。午後2時には移動・搬出制限区域も設定した。

 県内4カ所での畜産関係車両への消毒も始めたが、風評被害の防止を含めた対策は、ウイルスの「完全封じ込め」を達成できるかがカギとなりそうだ。

2010年4月21日

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