2010-04-15 13:11:18

絶対、やっぱりビジュアル系!/その③ お茶目なルナシー

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'91年初頭に、まだインディーズだったルナシーに出会っている。
目黒ライブステーション(ライブハウス)でワンマンをやり始めたばかりの頃だ。
俺はメンバーに創刊したばかりの「SHOXX」を見せたくて、会場に駆けつけた。

狭い場内はやたら黒系ファッションの女の子が多い。というか、ほとんど全員だ!
開演前から異様な熱気に包まれている。

「うおーっ!ライブハウスにも、こんな凄いバンドがいるんだ」

まず、Xとは対極をなす全員のダークな衣装とメイクが印象的だった。
そして今まで聴いたこともない、5人が織りなすエッジの効いたプログレッシブなサウンドに圧倒された。

トリッキーなSUGIZOと繊細なINORANのギター、やたら上手い真矢のドラム、絡みつくJのベース、今では想像つかないくらい妖艶なRYUICHI(髪が腰まであった!)のヴォーカル、何もかもが新鮮だった。
終演後は、汗でドロドロになったメイクのまま、自分達でステージ機材の後片付けをしているメンバー達。
今となっては、懐かしい風景だ(微笑)。

狭い楽屋でギターのSUGIZOが、手渡した「SHOXX」を見ながら、
「俺らと一緒に大きくなりましょう!」
と言ってくれたのが、どれだけ大きな励みになったことか。

そして、その数週間後。
真冬に深夜の河口湖でロケ撮影をしたんだけど、ムチャクチャ寒かったなぁ。
零下何度かでも文句一つ言わず、メンバー全員、震えながら撮影に応じてくれてたっけ。

先日、lynchi.のライブ会場(渋谷クアトロ)でINORANに会ったら、この時のことはよほど印象的だったらしく、
俺「俺と出会った頃の深夜の河口湖ロケ、覚えてる?」

思い出し笑いしながら、
INORAN「でも、何であんな遅くまで撮影してたんだっけ?すげーっ寒かったよ!(笑)」

そうか、そこは忘れてるんだな。
でも、俺は忘れられないぞ!(笑)
今、初めてバラしましょう。

ここまで撮影が夜遅くまで延びたた原因は、ただ一つ。

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フフッ..........................................................................

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Jだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!(笑)

撮影当日は、朝から車で2時間もかけてロケ現場近くの旅館に辿り着いた。

俺「(ニコニコしながら)さあ、部屋の中で衣装に着替えて、外で撮影だよ!」

この掛け声で、もうすぐ一斉に撮影がスタートするはずだった。
な~んの疑いも持ってなかった。

ところが、と・こ・ろ・が・だ!
Jが何やらゴソゴソ探してる。

”なんかイヤな予感......”

J「あーっ、衣装のパンツがない!家に忘れてきた!!」

グワァァァァーン!
ウソ..................................................................
お願い、ヤ・メ・テ...........................................

スタッフが慌てて取りに帰ったが、俺の頭の中は真っ白。

俺「(冷静さを装いながら).....大急ぎで戻って来れても4時間後か......あはは(虚ろな笑い)、撮影が終わるのは明け方だな」

この間、そこらじゅうの自販や置物に出来立てのステッカー「LUNACY」(懐かしいーっ!)をペタペタ貼って回ってたのは、ヒマを持て余していたメンバー全員です!(笑)

今でもまだ、どこかに1枚ぐらいは残ってるんだろうか...。
ワオ!誰か見つけたら、これは”お宝”だぞ!(笑)

追伸:
この原稿で1ヶ所、書き漏れがありました。
「お願い、ヤ・メ・テ............」の後に、「こうなったら、Jだけ上半身だけの撮影にしちゃおうか。集合写真は、Jがメンバーの後ろに立てば下半身は隠れるし、まぁバレねーだろ...................」が続きます。
また撮影中の詳細レポートは省きましたが、ただ...極寒深夜の森林で、数分座ったポーズを撮り終えると、立った瞬間に”パリパリ”って凍った音がしてました......ハイ。

<さらに続く>


★お知らせ
18日(日)stylish wave EXTRA (at ラフォーレミュージアム六本木)は、午前中の仕込みから開演前までをUstream(無料)で”ダダ漏れ”生中継配信をします。PCのみの対応です。
詳細は、こちらで発表>>

こういうの、hideも好きだろうな...。
ちなみにstylish waveでは、この4年間ずっと、開演前・転換時・終演後にhideのベスト曲をBGMで流しています。今でも敬愛してやまないhideに捧げています。



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2010-04-14 02:06:45

絶対、やっぱりビジュアル系!/その② 崖っぷちだった「SHOXX」創刊

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Xの初武道館ライブを実体験した翌日は、朝から興奮が醒めなくて、頭の中はフル回転していた。

”何か新しいことが起きていそうだな...。間違いない...。
んっ、あんなお化粧しているバンドばかりを集めた雑誌って、日本にあるんだっけ?......あーッ、もしかしたら無いんじゃないか?!”

すぐに都内の大型書店を探し回った。

”オオツ、お化粧系(当時の呼称...イヤだったな)を特集している雑誌はあっても、丸ごと1冊ってのが無い!”

”じゃ、俺が作ればいいじゃん!一番最初だから人脈も必要ないし。コ、コレだよ!!”

そんな感じで、9ヶ月後の '90年11月に「SHOXX」を創刊したんだ。
会社では誰も”売れる”と思っていなかったみたいで、編集部員は強引に立ち上げた俺と、強引に口説いた雑用のアルバイト学生が1人だけだった(笑)。

”編集経験者は俺一人かよ。でも、新しいロックシーンの夜明けかもしれない!”

毎晩一人で、狂ったようにライブハウスを駆け巡りながら、バンド探しと人脈作りをしていたので、会社からは洋楽ロック誌「Viva Rock」の編集長を解任されてしまった(苦笑)。
あわわわ、もう後戻り出来ない。
いわゆる”崖っぷち”ってやつ!(笑)。

表面上は平静を装ってたけど、内心は不安だった。

そして社内の皆さんの予想通り、さっぱり本が売れないんだ。
6ヶ月も経ってくると、さすがに少し焦り始めた。

とにかくXを取材したかったんだけど、メンバーがレコーディングでLAに行っててどうしようもなかったんだよね。
レコード会社から借りた写真で、ポスターを1枚付録につけただけ......(笑)。

「X、早く帰って来ーい!!」

って、心から願ってたよ(笑)。

<続く>

2010-04-13 00:09:10

絶対、やっぱりビジュアル系!/その① X(JAPAN)との運命的な出会い

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20年経った今でも、
「'90年2月4日、X(JAPAN)初武道館ライブ」の衝撃は未だに忘れられない。

X(JAPAN)に出会うまでの俺は、ずっと海外のハードロックとかニューロマンティックが大好きで、'80年からは洋楽ロック誌「Viva Rock」の創刊編集長(前職の音楽専科社)を務めていた。
ただ '89年ぐらいから、普段は日本にいないミュージシャン達との関係に物足りなさと虚しさを感じ始めていた。

”何か新しい邦楽ロック誌を立ち上げたい!”
と考えていたけど、当時は既に邦楽ロック誌が乱立していて、人脈もない俺の入る余地はありそうにも無かった。

ところが、ほぼ諦めかけていた頃、あるライターの方が、
「邦楽ロックにも星子さんの好きそうなバンドがいますよ」
と教えてくれたのが、X JAPAN(当時はX )だった。

そして、運命の2月4日。

武道館に入ると、まず超満員の熱気に圧倒された。

「何か起きそうな予感だな...」

オープニングのSEが流れ始めた瞬間、
「ぎゃーッ!!」「ヨシキーっ!」「ヒデー!っ!」「トシーっ!」「パターっ!」「タイジーっ!」
の大歓声が会場中に鳴り響く!!

「何なんだ、こりゃ!?」

5人が次々に繰り出ヘヴィなサウンドと、その奇抜な衣装とメイクに目と耳が釘付けになってしまった。
TOSHIの伸びやかなヴォーカル、YOSHIKIのパワフルでスピーディーなドラミング、hideとPATAの綺麗に織りなすギターフレーズ、TAIJIのハードに唸るベース、どれもが新鮮な驚きだった。

あの時の観客と自分の興奮は、今でもありありと思い出せる。
「すげぇー!!これがXジャンプって言うのか。床が揺れてる!」

特に、hideのソロパート「hideの部屋」は圧巻だった。
「このエキセントリックで妖艶なモードは何なんだ!?こんなのが日本にもいたんだ!」

興奮のあまりライブ終了後は、関係者に成りすまして(笑)、六本木での打ち上げ(初体験だ!)に一人でちゃっかり潜入してたっけ。
邦楽にはほとんど知り合いがいなかったので、心細かったなぁ...。

打ち上げ会場の飲み屋は友達のバンドマンが大勢駆けつけてて、赤や緑や黄色や紫の髪でいっぱい!
しかも、みんなメイクを落としてるので、誰が誰だかサッパリ分からん!(笑)
おまけに、サングラスまでしてる。

隣にいた人に、こっそりhideを教えてもらったけど、
「うそ...これじゃ分かんねぇよ」
って感じだった(笑)。

<次回へ続く>

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