さて、政府がその他の諸課題と同様に、例によって例のごとく結論を先送りしたので、最近はあまり話題にならなくなってきた朝鮮学校を高校無償化の対象に含めるかどうかという問題についてです。このエントリは3月12付の「朝鮮学校の歴史教科書に掲載された写真」(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/1498913/)と合わせて読んでいただけると幸いです。
この問題について鳩山首相は、自分で結論を出すのがイヤになったらしく責任を回避し、文科省に「専門家会議」を設置してそこで検討させることにしていますね。川端達夫文科相は本日の記者会見でこう述べました。
「5月中に1回目が開かれるように、最終人選の詰めの段階です。確定はしていません。1回目は5月中に開くということで、精力的にやっています。5月中というとギリギリですかね。5月中をめどに」
もともと川端氏は専門家会議について「4月までにメンバーを発表したい」と表明していましたが、延び延びになっているものです。まあ、もともと、こんな「きちんと専門家が議論して決めた」という形をつくりたいだけの言い訳づくりのような会議にそれほど意味があるとは思えませんが。
鳩山氏は当初、この問題について朝鮮学校を対象に含めることに反対する中井国家公安委員長に同調していましたが、のちに「大事なことは(対象となる学校が)『高校の課程に類する課程』であるかという判断だ。懸念は払拭していける。国交のない国の子供に、できるだけ客観的な制度として認めていきたい」と方針転換し、支給に前向きとなっています。
でも、この鳩山氏や政府の対応は根本的に間違っていると思うのです。なぜなら、朝鮮学校がどういう存在であるか、政府自身がすでに公式に文書で認識を明らかにしているからです。
政府の行政機関である公安調査庁は今年1月に公表した「内外情勢の回顧と展望」(公安調査庁のホームページにも掲載されています)の中で、朝鮮学校の思想教育について次のように記しているのです。
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なんのことはない。政府自身が、朝鮮学校の性格、北朝鮮とのかかわりなどをきちんと国民に提示しているわけです。これに目を通しただけでも、朝鮮学校について鳩山氏が言うように「懸念は払拭していける」とは到底、思えませんね。まったく、何をぐるぐる回っているんだか。
by Wingwrong
朝鮮学校と政府の先送りと公式…