ここから本文です。現在の位置は トップ > 地域ニュース > 奈良 > 記事です。

奈良

文字サイズ変更
はてなブックマークに登録
Yahoo!ブックマークに登録
Buzzurlブックマークに登録
livedoor Clipに登録
この記事を印刷

大和郡山の警官発砲:母・金順得さん「無念を晴らすよ」 遺影抱き審判へ決意 /奈良

 大和郡山市で03年9月、窃盗などの容疑で追跡中の乗用車に警察官が発砲し、高壮日さん(当時28歳)が死亡した事件を巡り、県警の警察官2人を特別公務員暴行陵虐致死と同致傷の罪で審判に付すとした奈良地裁の決定。「拳銃使用は違法」と訴えてきた高さんの母金順得さん(72)は15日の記者会見で、「息子に『無念を晴らすよ』と伝えた」と喜びと審判への決意を語った。【高瀬浩平、上野宏人】

 高さんが亡くなってから約6年半、金さんは毎日、自宅で仏壇に手を合わせ、冥福を祈り続けてきた。損害賠償請求訴訟では今年1月27日に請求が棄却され、「納得いかず、腹が立った。裁判がうまくいくよう毎朝、いつも拝んできた」と言う。

 民事訴訟とは異なる今回の判断を受けて、金さんは「息子も喜んでいるだろうと思って連れてきた」と、高さんの遺影を抱いて記者会見に臨んだ。

 最高裁によると、09年5月現在、付審判の決定が出たのは20件。判決で無罪になるケースも多く、確定した判決の有罪率は47%にとどまる。

 同致死罪の警察官1人は裁判員裁判の対象になるため、代理人の伊賀興一弁護士は「権力犯罪を市民の目で裁くことになる。市民感覚が生きることを期待したい」と話した。

 審判では、裁判所が選んだ弁護士が検察官役を務める。伊賀弁護士は「県警は補充捜査に協力すべきだ。検察官役は弁護団から選んでもらい、追及の場に立ちたい。被害者参加制度を活用して、検察官役に協力したい」と述べた。

 元大阪高裁判事の石松竹雄弁護士は「付審判請求は、検察が警察に同情することを考慮し、裁判所が公平な立場で見るための制度。今回の事件は公開の法廷で審理すべき事件だと思う」と指摘した。

 奈良地検の徳久正次席検事は「裁判所が指定した弁護士から協力を求められれば、可能な範囲で協力をしたい」とのコメントを出した。

毎日新聞 2010年4月16日 地方版

PR情報

奈良 アーカイブ一覧

 
郷土料理百選
地域体験イベント検索

おすすめ情報

注目ブランド