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政治

国内地上戦「樺太も」 太平洋戦争、政府見解を訂正

(05/11 06:23)

 前原誠司沖縄北方担当相は10日の衆院沖縄北方特別委員会で、太平洋戦争末期の沖縄戦が「住民を巻き込んだ国内唯一の地上戦」などと表現されてきたことについて、「必ずしも正確ではない。多くの尊い命が失われたという意味で樺太戦も同様だ。訂正した方がいい」と述べ、沖縄が唯一ではないとの史実を政府として正式に認めた。

 民主党の山岡達丸氏への答弁。長年、政府見解の訂正を要望してきた全国樺太連盟の稲原秀雄会長(82)=川崎市在住=は「遅きに失したが、ようやく政府見解を見直してくれた。特に担当大臣が訂正したのが喜ばしい」と歓迎している。

 当時日本領だった樺太では、1945年8月9日から下旬にかけて、旧ソ連軍と旧日本軍が交戦し、戦闘や自決により多くの住民に犠牲が出た。

 過去には、毎年6月に沖縄県で行われる沖縄全戦没者追悼式での首相式辞で「沖縄が唯一」と表現されてきたが、樺太引き揚げ者団体の是正要請を受け、小泉純一郎政権当時の2003年からこの表現は使われていない。

 しかし山岡氏は、03年以降も国会答弁で首相や閣僚が「沖縄が唯一」との表現を使うことがあったと指摘。前原氏は「沖縄戦は県民の約4分の1に当たる一般住民の尊い犠牲者を出した極めて悲惨な戦いだった」とした上で、沖縄以外でも、樺太や硫黄島で多くの住民が亡くなった事実を挙げた。また「悲惨な戦争を二度と行わないためにも、その実情が正しく後世に伝わることは重要だ」と強調した。

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