広島少年院(広島県東広島市)で収容少年2人に暴行したとして、特別公務員暴行陵虐の罪に問われた元主任教官田原克剛被告(44)=懲戒免職=の控訴審判決で広島高裁(竹田隆裁判長)は13日、懲役9月の実刑だった一審広島地裁判決を破棄、懲役1年4月、執行猶予4年を言い渡した。
5人が起訴された一連の事件で初の二審判決。求刑は懲役1年6月だった。
竹田裁判長は判決理由で、被害少年に謝罪や弁償を行い「自らのおごり」と真摯に反省し、懲戒免職という社会的制裁も受けているなどと指摘。
「刑を猶予しなかった一審は重きに過ぎる」と弁護側の主張を認めた。
一審で懲役1年2月〜2年6月の実刑判決を受けた田原被告以外の元教官3人も控訴し、係争中。元首席専門官向井義被告(48)=起訴休職中=は無罪を主張し、広島地裁で争っている。
判決によると、田原被告は2008年3月、第1学寮の寮監室で「これを飲んで死ね」と洗剤の容器を少年の口に押し付け、09年2月、浴室で別の少年を浴槽に投げ入れ「面が悪い」と頭に水を掛け、平手で数回殴った。
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