挑戦者グラナドスのお面をつけて練習に臨んだ内山と渡辺会長(右)=東京・五反田のワタナベジム
「WBA世界Sフェザー級タイトルマッチ」(5月17日、さいたまコミュニティアリーナ)
王者・内山高志(ワタナベ)が11日、東京・五反田のワタナベジムで公開スパーリングを行い、渡辺均会長(60)が終盤KO指令を下した。試合を長引かせることでテレビの視聴率とギャラのアップを狙ったもので、渡辺会長は「本当は前半にKOしてほしいが、テレビのために9回か10回ぐらいにKOしてほしい」と熱望した。
今年1月に王座を獲得したものの、内山の知名度はまだ全国区ではない。今回はテレビ東京・大阪系で午後8時から生中継が予定されており、内山の名前を全国に売るには絶好の機会となる。終盤に劇的なKO勝利を飾れば視聴率も稼げる。さらに、数字が上がることで、V2戦以降のギャラのアップも望める。
やる気十分の渡辺会長はこの日、自ら内山のスパーリングパートナーを買って出た。185センチの挑戦者に対し、渡辺会長は181センチと、体格が似ていることから愛弟子に胸を出した。「世界チャンピオンとスパーリングする夢がかなった」とおどける会長を横目に、内山は「これで90%は大丈夫。あとはリングに上がるだけ」と気持ちを引き締めた。
(2010年5月11日)