ドイツで13日開幕したアマチュア自動車レースの最高峰「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」に、昨年ドライバーとして参加したトヨタ自動車の豊田章男社長(54)は、周囲の反対などに考慮し、出場しなかった。現地でチームを応援し、レースの様子や思いをブログで発信する。
豊田社長は「自分も車を評価できるようになりたい」と、副社長時代に国際C級ライセンスを取得。07年にはトヨタチームとともに同耐久レースに初出場し、「ワクワクする車を作っていこう」という持論をレースで社員に伝えてきた。社長に内定していた昨年は、開発中のスポーツカー「レクサスLFA」のハンドルを握り、チームの完走に貢献した。
しかし今年は、LFAの開発がほぼ終わったうえ、「社長に万が一のことがあると社業に支障を来す」(役員)と周囲が出場に猛反対。豊田社長は、新型車開発の社内の意識改革も進んだとみて、出場のチャンスを若手に譲ることにしたという。【宮島寛、鈴木泰広】
毎日新聞 2010年5月14日 2時32分(最終更新 5月14日 2時32分)