かわいくてぎゅっと抱きしめたくなる−。その童顔と小柄なボディーが“妹キャラ”と称され、男性ファンを喜ばせてきたみひろ。原作「nude」(講談社)は、高校を卒業し田舎から上京したひろみが女優になる夢を実現するため、AV女優・みひろとなり、懸命に生きる姿を自ら綴ったもの。
その映画化とあっては、AVシーンを外すことはできない。台本には、例えば…。
《ダメっ、イッちゃう。アァ〜ッ、イク》
《立っている男優2人。同時にみひろを愛撫している。3人の体位が次々と入れ替わる》
こんな“きわどい”セリフとシーンの数々に挑むのが、06年の女優デビュー後、映画を中心に活動してきた渡辺だ。製作側によると、俳優の窪塚洋介(31)がカメラマンを務めた昨年9月発売の写真集「月刊渡辺奈緒子」が抜てきの原動力になったという。窪塚の厳しい要求に渡辺が応えた緊迫感あふれるカットが、小沼監督やプロデューサーの心を動かした。
当初、どの役か知らずに台本を読んだという渡辺は「読み終わって涙が出たんです。こんなことは初めてでした」と振り返った。
高校を出て、“映画女優”一筋に頑張ってきただけに、2年前に映画「SILK」でヘアヌードを見せた時の恋人や友人、家族とのあつれきに悩んだ自分の姿が、みひろに重なった。
「脱ぐだけでなくてAVのシーンもある、と頭をよぎったことは確か。でも、迷いながらも、自分の目標に向かって進んでいく気持ちがよくわかった。挑戦してみたい、自分の壁を壊してみたいと思って。直感でした」と承諾に至った思いを語った。
デビュー5年目でつかんだ初主演。「台本の1番最初に私の名前があったんです。すごくうれしかった」と瞳を赤くした。17日スタートの撮影に、全身全霊で挑む。