住友不動産“中興の祖”安藤太郎氏が死去、100歳

2010.5.12 16:11

 住友不動産相談役で元会長の安藤太郎(あんどう・たろう)氏が9日、老衰のため、東京都内の自宅で死去した。100歳だった。葬儀・告別式は親族のみで執り行われた。喪主は妻、満寿子(ますこ)さん。後日、「お別れの会」を執り行う予定。

 昭和9年、住友銀行入行。47年同行副頭取に就任するが、49年、住友不動産社長に転出。60年、会長。同社を三井不動産、三菱地所と並ぶ3大不動産の一角に育てた“中興の祖”とされる。

 バブル期にはビル部門を強化するなど都心部で積極的に土地取得を進めたが、強引な手法には批判も集まり、62年には、右翼団体幹部が「地上げで国民を食い物にしている悪名を世に知らせたい」との動機から自宅に乱入する事件も起きている。

 バブル崩壊後の平成6年、代表権を持つ取締役相談役に就任。8年には参院予算委に参考にとして呼ばれ、旧住宅金融専門会社(住専)問題について、専門家の立場から意見を述べた。19年に代表権を返上するまで、代表取締役の在任期間は33年間に上った。

 20年、高齢を理由に医師から止められ、取締役を退任した。

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