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野村克也氏入院、血管が…解離性大動脈瘤

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4月15日、楽天戦を観戦するため西武ドームに到着した楽天野村名誉監督
4月15日、楽天戦を観戦するため西武ドームに到着した楽天野村名誉監督

 楽天の野村克也名誉監督(74)が、解離性大動脈瘤(りゅう)のため都内の病院に緊急入院していたことが12日、分かった。関係者は「風邪をこじらせたため、点滴を打って静養している」と話し、10日から入院していることを明かした。06年から09年まで楽天監督を務めた野村氏は、今年は講演活動やテレビ番組出演などで活躍。高血圧に過労が重なったことも一因とみられるが、命に別条はないという。

 球界に衝撃が走った。多方面でご意見番として活躍している楽天野村名誉監督が、解離性大動脈瘤のため緊急入院していた。関係者によると、10日に風邪のような症状を訴え近くの病院へ行ったところ、高血圧の症状があったため別の病院で精密検査を受けた。そこで解離性大動脈瘤と診断されたという。

 この日まで、予定していた仕事はキャンセル。野村氏が入院した都内の病院には報道陣が殺到したが、病院側が対応することはなく、楽天側もコメントを出すことはなかった。

 野村氏はヤクルトの監督に就任した直後の1989年秋季キャンプ中に、心疾患の疑いで長期入院した。楽天監督時代の08年にも体調不良で入院している。心臓に不安を抱えているだけに、今回も大事をとって入院したものとみられる。

 解離性大動脈瘤は、3層構造を形成している大動脈のうち、真ん中の膜に血流が入り込み、こぶができる症状。最悪の場合、大動脈が破裂する可能性があるため、手術するケースも多いが、軽症の場合は血圧を下げて安静にすることで治ることもある。関係者の話を総合すると、野村氏の場合、命に別条はないという。

 野村氏は06年から09年まで楽天の監督を務め、昨季はリーグ2位で球団史上初のクライマックスシリーズ出場を果たした。10年3月に名誉監督に就任。その後はテレビ番組出演や講演など、野球界にとどまらない活動で多忙な日々を送っていた。4月15日には西武対楽天(西武ドーム)を観戦に訪れ、教え子たちにゲキを飛ばすなど元気な姿を見せていた。5月3日の巨人対ヤクルトも評論家活動で東京ドームを訪れ、精力的に仕事をこなしていた。

 野村氏は日ごろから高血圧を予防するため自家製のお茶を持参するなど、健康には気を使っていた。だが、74歳と高齢のため、講演会で全国各地を飛び回るハードスケジュールは体に負担がかかっていた可能性もある。10年に入って休日はほとんどなく、本の出版や映画の宣伝活動も行っていた。最近は周囲に疲労を漏らすこともあったようだ。今後は、関係者によると「長く入院する状態ではない」という。

 [2010年5月13日9時25分 紙面から]


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野村克也

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