栃ノ心、大関３タテ！父手伝いぶどう踏み結実…夏場所４日目

琴光喜を寄り切りで破る栃ノ心（右）

　◆大相撲夏場所４日目　○栃ノ心（寄り切り）琴光喜●（１２日・両国国技館）　西前頭２枚目の栃ノ心が大関・琴光喜を破り大関３タテを達成した。２日目の日馬富士、３日目の琴欧洲に続く３連勝。５日目に対戦する魁皇を破れば１９８７年春の益荒雄以来となる史上２人目の大関４連勝を達成する。横綱・白鵬、新大関の把瑠都は４連勝。魁皇は関脇・稀勢の里との全勝対決を制し通算１０００勝まであと５とした。

　大関キラーが誕生だ。日馬富士、琴欧洲を連破した栃ノ心の勢いが止まらない。立ち合いで琴光喜の左上手を引くと前に前に攻めた。大関が繰り出す下手投げにも動じず万全の寄り切りだ。

　３日連続で大関を倒し「勝ちたい気持ちが強いですから」と会心の笑みを浮かべた。武蔵川理事長も「かなり力がある感じだ」とうなった。５日目に魁皇を破れば、１９８７年春の小結・益荒雄に続く２人目の４日連続で大関に連勝の偉業を達成する。「左上手を取ったら自信がある」と２３年ぶりの快挙へ闘志を高めた。

　強さの秘密は頑丈な下半身にある。太ももの太さは９０センチ。２００６年春の初土俵の時には「今ぐらい太かった」と春日野部屋関係者。母国グルジアで柔道、サンボで鍛え上げた象徴だが実はそれだけではない。父・ザザさん（４５）はグルジア・ムツケタ市でワイン農場を経営する。「子供の時からぶどうを踏んで手伝っていた。それで鍛えられたんだと思う」と明かす。ワイン造りのお手伝いが今の下半身を作り上げた土台だった。

　早くから期待されていたが０８年夏の新入幕以降は番付を上下していた。心の弱さが原因だったが今場所は直前に胸の筋肉を肉離れしたが「問題ない」と精神力で克服。この日もテーピングを外して土俵に向かった。「三役に上がりたい」。大関４タテを達成し一気に夏の主役をゲットする。