代表者 挨拶

インテリジェンスアカデミー代表 鈴木啓子

 

インテリジェンスアカデミー代表  鈴木啓子
  7年前西暦も2000年を迎えました。当時「ミレニアム」という言葉が大変流行しましたが、そもそもその流行語を英和辞典で調べると、再臨のキリストが統治する時代のことと記されています。つまりこれまで因習が価値を失い、全く新しい価値観が生まれようとする、まさに時代の大転換期と言えましょう。今この世界は2世紀にわたって繁栄し続けた資本主義も限界に直面しています。

  戦後食べ物がない中、先輩たちが日本の復興の為に汗水流して奮闘してきました。私たちはその恩恵の上で、豊かな生活をしています。ところが若者たちの現状はどうでしょうか。学校が崩壊し、家庭が崩壊し、青少年の犯罪の日々深刻化しています。当然政治、経済、環境問題には意識が遠ざかるばかり。国の未来を担っていく主役は、なんと言っても現在の青少年たちに他なりません。青少年たちの双肩に国家の興亡盛衰の運命がかかっているのです。

  国家とは、人間の体に例えられます。政治が脳にあたり、血管が経済であり、文化が人間の心を反映したものです。全てが相関関係で成り立っています。一つでもうまく機能しなければ、全体に影響を及ぼし、死にいたることもあります。体が悪ければ当然医者に行きます。医者に要求されるもの、それは知識です。「無知」からは何の意思も解決法も生まれないのです。

  我々が抱える問題として、根本的な無知があります。我々が何をしたいのか?どうするべきなのか?なぜ存在するのか?このような疑問に対して多くの哲学者たちがこの回答を出そうと多くのヒントを残してきましたが、未だ解決の道には至っていません。例えばあるひとつの行動に関してある集団では、「善」だと思っていることを、ある集団では「悪」とみなす善問答が日常に生じます。裁判で原告側と被告側が証拠をもって争うように、善問答でも実験や統計を用いた科学的根拠に基づき、妥当性を証明しなければなりません。

  結局全てはまず「知る」ことから始まります。物事に関する「真善美」の命題を与え、データを提供し、啓蒙するのがインテリジェンス・アカデミーの使命です。より多くの人がこの会に参加することが日本復興の第一歩だと思います。