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【芸能・社会】

ジョン・レノンをドラマ化 オノ・ヨーコとの結婚など描く

2010年5月13日 紙面から

 凶弾に倒れた衝撃の死から今年で30年になる伝説的アーティスト、ジョン・レノン。彼のオノ・ヨーコ(77)との運命的な恋愛や内面の葛藤(かっとう)など人生の転換期となる20代後半をドラマ化した「ジョン・レノンの魂〜アーティストへの脱皮 苦悩の時代〜」がNHKBSハイビジョンで6月12日午後8時から放送される。NHKとジョンの母国イギリス・BBCなどの国際共同制作で、「ザ・ビートルズ」解散の真相にも迫るという意欲作は大きな反響を呼びそうだ。

 ジョン・レノンについてはドキュメンタリーなどは数多くあるがドラマは珍しく、NHKはもちろん、イギリスを代表する公共放送BBCにとっても初めてだ。同国のブラストフィルムズ社と3社で制作し、BBCは6月21日のゴールデンタイムに放送するとあって注目が集まっている。日本に根強いファンが多いことからNHKに制作参加の誘いがあったという。

 NHKソフト開発センターの安田慎ディレクター(35)は「さまざまな伝記や情報が出ている人だけに、まだ“語られていないジョンの闇”からジョンの人間味を描く」と説明。スタッフは、雑誌インタビューの元テープをおこすなど膨大な資料にあたった上で脚本を作ったと明かす。

 「ビートルズ解散の真相や、そこにオノ・ヨーコさんがどうかかわったのかなど、一般ファンの方が驚く内容も描かれる」と胸を張る。

 ビートルズのメンバーとの衝突、信頼していたマネジャーの死、最初の妻シンシアとの感情のもつれ、そして薬物への逃避…。ドラマは、ビートルズのアイドル的な存在からアーティストへの脱皮に悩み、公私ともに「愛に飢えて、どん底の自分探しの時代」(安田ディレクター)だった、25歳からビートルズを解散し、ニューヨークへと向かう30歳までを描く。

 ドラマの核は、後の人生を決定づける2人の人物との出会い。ジョンが6歳の時に去っていった父フレディーとの再会と、結婚することになる日本人女性オノ・ヨーコ。「音信不通だった父親と会い、今のみたされない思いは父親の不在が大きかったと気付くことが、その後のジョンの転身につながる」とし、オノ・ヨーコは「彼女の個展での出会いから恋愛へと発展し、有名な平和運動でもある“ベッドイン”や、交際や結婚に反発するファンからの激しいバッシングも見ていてつらくなるほど描く」という。

 ジョンを演じるのは、日本でも放送されたドラマシリーズ「ドクター・フー」にも主演したイギリスの人気俳優クリストファー・エクルストン(46)。オノ・ヨーコは愛知県出身でロンドンで活躍する女優森尚子(38)が演じる。「よく研究されて雰囲気はソックリ」と安田ディレクター。他のビートルズメンバーも登場し、オノ・ヨーコをめぐるジョンとのいさかいや、解散の真相を描くシーンもあるとのことで興味深い。

 番組は90分。イギリス国内で撮影され、せりふは英語。NHKは日本語吹き替えで放送する。番組は世界配給される計画だ。

 

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