◇夏場所 4日目
12日が34歳の誕生日だった前頭13枚目の高見盛(東関部屋)が光龍を寄り切りで破り3勝目を挙げた。2場所連続優勝を狙う横綱白鵬は豊真将を押し出して4戦全勝とした。大関陣は魁皇が全勝同士の対決で関脇稀勢の里をはたき込み、新大関把瑠都は小結栃煌山をすくい投げで仕留めてともに4連勝。琴欧洲は3勝目を挙げた。日馬富士は2連勝で2勝2敗。琴光喜は栃ノ心に寄り切られて早くも3敗目を喫した。
高見盛が光龍との攻防のある相撲を制し、34歳の誕生日を自ら祝った。
「誕生日とか、そういうのは関係ない。勝ったらいつもうれしい」と言いながら、まんざらでもない表情。
この日は高見盛の大ファンと公言する米軍の女性幹部から、士官の誘いを受けた。女性の名はダイアナ・オーマン将軍。国防省の環太平洋地域で軍人の子どもを教育する機関の最高責任者という。拠点の沖縄から軍用機で横田基地に降り立ったオーマン将軍は、まず東関部屋で高見盛のけいこを熱心に見守り「(相撲界で)学んだことは非常に大きい。十分士官の役ができると思う」と誘い? を掛けた。
これには高見盛も取組後に「できれば海軍だね。船に乗っていろんな所に行くのが夢」と話し、さらに「最前線で戦いたい。そういう性格」と自己分析して見せた。ただ戦場で銃を撃ちまくりたいのか、と聞かれると「そんな殺人狂みたいにはならない。まずは話し合い」と“平和的解決”を提案した。
続けざまに普天間問題などについて聴く報道陣に「考えてねーよ。オレが政治の話をしても仕方ない」とキレ気味。それでも土俵上では勇ましく戦い、観戦したオーマン将軍も大喜びだった。誕生日にも「女性からのお祝いメールはない。相撲に全力を注ぐから、女性と付き合う余裕はない」と話す34年間彼女ナシの「愛されキャラ」が、日米の緊張緩和に一役買った。 (田中一正)
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