去年11月に東証マザーズに上場したばかりの半導体製造装置の製造、販売会社が、粉飾決算の疑いで証券取引等監視委員会の強制調査を受けた問題で、この会社は海外に設けた口座を使って取引先から商品の販売代金を回収したかのように見せかける手口で、100億円余りに上る売り上げの多くを水増しした疑いのあることが関係者の話でわかりました。
神奈川県相模原市に本社がある「エフオーアイ」は、半導体の製造装置を開発し、シンガポールや台湾などを中心に販売していますが、売り上げを水増しし、決算を粉飾した金融商品取引法違反の疑いがあるとして、証券取引等監視委員会は12日、会社や社長の自宅を強制調査しました。関係者によりますと、エフオーアイは取引先である海外の半導体メーカーに商品を販売したように装う架空取引を繰り返していたということです。販売代金を回収したかのように見せかけるため、海外に銀行口座を設けて銀行などから融資を受けた資金をプールし、その口座から自社の口座に入金することで販売代金が支払われたかのように装っていたということです。エフオーアイは東証マザーズに上場する直前の去年3月期の決算では118億円余りの売り上げを計上していますが、監視委員会は、売り上げの多くがこうした架空取引によって水増しされた疑いがあるとみて、捜索で押収した資料などを分析し、不正な経理操作の実態解明を進めることにしています。