突然の解雇や雇い止めに遭った人を対象にした、国の「就職安定資金融資制度」を悪用して現金をだまし取っていたとして、県警国際捜査課などが偽造有印私文書行使と詐欺の疑いで、日系ブラジル人6人を逮捕していたことが11日、わかった。6人のうち数人は県内で多発するカーナビ盗にかかわっていた可能性があるといい、調べを進めている。
逮捕容疑は、今春ごろ、6人が共謀し、事業主が記入する離職や住居喪失を証明する書類などを偽造。県中部のハローワークで確認を受けるなど手続きを済ませ、それぞれ数十万円の融資金をだましとったとしている。
静岡労働基準監督署によると、今年2月ごろ、県中部のハローワークが不審な男の書類を確認したところ偽造と判明。通報を受けた県警が捜査を始め、融資を不正に受けた疑いが強まったとして6人を逮捕した。
同制度は08年12月から実施。事業主の離職証明などを失業者がハローワークに提出し、これが認められ、労働金庫の審査を通れば、敷金や家賃補助、就職活動費の融資を受けられる。利率は年1・5%で、10年以内に返還するよう定めている。【山田毅】
毎日新聞 2010年5月13日 地方版