以前にもエントリーをあげて、まあ早い話がさっさと破綻処理した方がいいと書いたつもりなのですが、現実にはさまざまなしがらみがあるようで、そうならず、ますます混迷しているようです。ワタクシはいまでも、早めに「再生型破綻処理」をすべきだったと思います。事業再生ADRがまあ近いものといえなくはないですが、これはさまざまな債権者の利害調整を前提にするので、とうぜん大きな債権者である年金受給者などとの話がこじれることは目に見えているわけです。結論はどうせ同じでしょう。それならまず破綻を前提にした話をすべきだったと考えています。そうすればあきらめもつく人も増えたのではないかと思います。 年金の削減にしても、もともと高い給料を前提に年金が組まれていたOBの削減が3割で現役が5割ってのも、ちょっとどうかと思いますね。本当にこれから企業として再生を考えるのなら、現役に不満を鬱積させてモラールを低下させるようなやり方は極めてまずいと思います。ワタクシならせめて比率は逆転させますが。別に基礎年金や厚生年金部分まで削るわけではないのでしょう。 ご存じの通り海外の航空会社は頻繁につぶれてますが、大きなところでは飛行機が飛ばなくなったケースはまれです。(アメリカではワタクシも愛用していた格安航空インディペンデント航空がつぶれた時は本当に路線がなくなりましたが、まあすべて他社と競合しているところでしたので、国民生活上全く支障はなかったのですが。)コンチネンタル航空など2度も破綻してますが、そのたびにいったんは優良企業として復活しています。破綻によって身軽になることに加え、DIPなどの資金供給がしっかりあることが前提とはいえ、最悪の場合それは政府が破綻を前提にやればいいわけで、破綻しないまま政府が金を出すというのは、どうも中途半端になりますね。 政府の対応も極めてまずいと思います。国土交通大臣が「つぶさない」みたいなことを公言してしまうから、話がうまく進まないし、結局政府系金融を通じたお金がどうなるかわからない状態になって、国民の税金の使途への疑心が生まれるのです。そもそも政治がかわったのだから、このあたりを変化の象徴として前面に出すという手もあったはずです。もともと某ナショナルフラッグキャリアだけの責任ではないことはわかります。政治主導で空港を作りそこで飛ばさせてきたつけが今回ってきているのは事実だと思います。そしてそれに唯唯諾諾と追随してしまった経営者の資質も問われます。だからこそ、政権のシフトはそうしたしがらみを断ち切るチャンスだったと思います。新政権は過去のことはしらん、と冷たくやればよかったのだと思います。まさに国民は変化を望んだのだ、と。 国土交通大臣がそのように対応できなかったつけは今後さまざまな形で回ってくるでしょう。そして、まさに新政権の中途半端な施策の一例として、一つのバッドケースとして、残ることになると思います。破綻を前提に進めればもっとスムーズに話が進んだと思うのですが、今の状況はさまざまな意味で時間の無駄でしょう。まあ新聞にもあったように大口株主もどんどん見切りをつけているようですし、結論はたぶん同じです。大口の金融機関の債権者もほとんど引き当て済で、別にこれからどうなっても状況に大きな変化はないでしょう。であれば結論は早い方がいい。みんなの無駄を避けるためにも。 |
<< 前記事(2009/11/14) | ブログのトップへ | 後記事(2009/11/27) >> |
タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
---|---|
日航の年金減額「OB3割・現役5割」提案
経営再建中の日本航空は23日午後、最大の懸案となっている企業年金の減額についてのOB向け説明会を東京都内で開催し、給付額を加重平均で3割引き下げる案を検討していると説明し、OBに理解と協力を求めました。また、これに先立ち、日航経営陣は8つの労働組合向けの合同説明会を東京本社で開催し、現役社員の給付額については53%減になる案を示しました。給付減額にはOB・社員の3分の2の同意が必要となっており、同意が得られない場合「法的整理も含め存続が問われる」(西松遥社長)とし、減額への理解を求めたということ... ...続きを見る |
歌は世につれ世は歌につれ・・・みたいな。 2009/11/25 00:25 |
JALが企業年金減額を提案
JALがOB3割・現役5割の年金減額提案 | マネーニュース | 金融・経済政策... ...続きを見る |
天網快快 2009/11/25 16:16 |
内 容 | ニックネーム/日時 |
---|---|
まったく同意です。 |
39歳無職 2009/11/25 07:36 |
39歳無職さん、どうもです。さまざまな方(トラックバックを下さった天網快快さんなど)が書いておられるように、基礎年金や厚生年金部分がなくなるわけではないのでやはり昔の厚遇をべーすにしたOBの方が削減幅が広い方がなんとなくすっきりするように思います。 |
厭債害債 2009/11/29 12:28 |
<< 前記事(2009/11/14) | ブログのトップへ | 後記事(2009/11/27) >> |