わたしの初ゆめ 円 安子(まどかやすこ) うちのおかあさんがこないだ「さい婚」しました。あたらしいおとうさんが家にきました。 あたらしいおとうさんわまえのおとうさんとちがってとってもやさしいです。 こないだまでは、わたしがほしいものがあっても、お金がないからがまんしなさい、っていっていたのに、いっぱいおこづかいをくれるようになりました。そしてとうとう携帯まで買ってくれました。 でも、わたしわ、家がびんぼうなことをしっています。けいきが良くないから、あたらしいおとうさんのおきゅうりょうも、まえのお父さんのおきゅうりょうよりすごくへったのもしっています。それなのにあたらしいおとうさんが、おこづかいや携帯のおかねがいっぱいかかるようになったのに、一体どうやってお金をかせいでくるのかふしぎに思いました。 そうしたら、お正月に「初ゆめ」をみました。 ある日の夜、わたしが夜中におしっこにいくとき、茶の間のあかりがついていて、だれかとおもったらおとうさんでした。おとうさんわ茶の間のたんすから、おかあさんのへそくりをもちだしていました。わたしわあまりのこわさにちびってしまいました。 わたしわつげぐちはいけないとおもうけれど、がまんできなくなってこのことをおかあさんにつげぐちしたら、おかあさんは笑って「あんなひとだからしかたないのよ」といいました。わたしわおとうさんがわからなくなってしまって、そのあとおとうさんがいない間にこっそりへやに入っておとうさんのつくえの引き出しをあけて見ました。そしたら、よくわからない紙がいっぱいでてきて、やっぱりこわくなっておかあさんに見せたら、それは「しゃくようしょう」というものでお金をしんせきのひとからいっぱいかりていることがわかりました。わたしわ、お金のことはよくわからないけれど、おかあさんにきいたらおとうさんがかせいでくるお金を2年ぶんぜんぶつかってやっとかえせるのだそうです。そしていまでもおとうさんがもってくるおかねの1割ぐらいかりつづけていて、「しゃくようしょう」がふえているのだそうです。さいきんはまわりからも、いろいろおうちのことを言われてつらいから、はやくおかねわかえしたほうがいいとおもいます。でもわたしやおかあさんはごはんもたべたいし、わたしだってたまにはアイスクリームもたべたいし、だいいちいまの生活もみんなすごくがまんしてやっているので、かりたおかねわきっといつまでもかえせないとおもいました。 おかねをちゃんとかえすためにわ、おとうさんがしっかり働いてたくさんかせいでくれることがいちばんだとおもいます。もっとかせぐにわ、やっぱりトレーニングとかで力をつけて、もっとかせぎのいいしごとにつけるように、どりょくしなければならないと思います。そして、いま住んでいるところで商売がうまくいくように、ちいきの人々みんなでちからをあわせるしくみをつくらないといけないとおもいます。でもおとうさんわいま住んでいるいなかではかせぎもすくなくなっているのにきんじょの人たちにもとてもやさしいので、おかねやものをくばってあるいています。おとうさんもむかしはしにものぐるいで朝からばんまではたらいていたそうです。でもちょっとおかねがたまったら、あまりはたらかなくなりました。だからわたしのいえわ、どんどんびんぼうになっていきます。じつは、うちにはおばあちゃんとおじいちゃんがいて、おせわするのにもおかねがかかります。わたしわ携帯もいらないし、ごはんだってすこしがまんしてもいいです。いえが苦しいのだから、まいつき絶対にかかるようなお金のしはらいわがまんしてへらしたほうがいいとおもいます。それぐらい小学生のわたしにもわかります。でもおとうさんは、わたしたちやまわりのみんなにすごくやさしいので、わたしがちょっとまえに言ったことをちゃんとおぼえていてくれて、携帯をかってくれました。わたしわそんなやさしいお父さんがだいすきです。でもおかあさんのへそくりもつかってやっとはらっているみたいです。そんなことしていたらきっとたいへんなことになってしまうとおもいます。きっとおとうさんわそだちがいいので、おかねのありがたみが良くわかっていないのだとおもいます。さいごわじぶんのおばあちゃんにでももらうのかなぁ。 ゆめのなかで数年すぎたある日のよる、とつぜんおかあさんが、すごいこわいかおで、「やすこ、いっしょに死んでおくれ」といいました。あたらしいおとうさんわとっくのむかしにどこかえいってしまってかえってきません。おかねをかしてくれていた親せきのひとたちわもうあきれておかねをかしてくれなくなりました。きんじょのお店もつけでものをうってくれなくなりました。「わたしたちわあしたからたべるものがないのよ!」とおかあさんが金切り声をあげてほうちょうをふりあげたところで、目がさめました。 わたしわ、ああゆめでよかったとおもいました。 (保護者の皆様へお願い) この作品は児童が書いた練習用の作文であり、現実の社会や政治経済のお話とは関係がありません。お子様に紹介されるときには、むりやり政策とか状況にあてはめた強引な説明でお子様への教育効果を失わせることのないよう、ご注意ください。 |
<< 前記事(2009/12/31) | ブログのトップへ | 後記事(2010/01/08) >> |
タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
---|
内 容 | ニックネーム/日時 |
---|---|
まえのおとうさんはもっとほしいものかってくれたようにおもうけど? |
ねこ 2010/01/03 14:33 |
ふゆやすみの日記。 |
オーファーマネスル 2010/01/04 10:51 |
ねこさん、どうもです。まえのおとうさんもけっこういいかげんなひとでしたからね。 |
厭債害債 2010/01/05 01:02 |
新年にあたり、深ーい、いい話ありがとうございます。お父さんは政治家でしょうか、国民でしょうか、官僚でしょうか、はたまた親父である私自信なのでしょうか。そういえばこのうちの商売は、お父さんがやるお仕事をいまだにおじいさんたちにやらせてます。さすがにおじいさんはがんばっていたのですが、健康上の理由で隠居します。さて商売経験のない婿養子の手腕はいかに。 |
かる 2010/01/07 01:38 |
<< 前記事(2009/12/31) | ブログのトップへ | 後記事(2010/01/08) >> |