米軍普天間飛行場移設問題で11日、キャンプ・シュワブ沿岸部がある沖縄県名護市辺野古周辺を移設先とする政府原案の全容が判明したことを受け、沖縄では地元合意を後回しにする政府の姿勢に「民主主義を冒とくしている」などと厳しい批判の声が上がった。
辺野古で座り込みを続けるヘリ基地反対協議会の安次富浩代表委員(63)は「民意を無視したやり方だ」と憤り、原案に示されたくい打ち桟橋方式による代替施設建設に関し「桟橋方式は一例としており、沿岸部埋め立ての現行方式に戻ることもあり得るという話だ」と警戒。その上で「辺野古に戻る理由の説明も全くなく納得できない」と猛反発した。
沖縄平和運動センターの山城博治事務局長(57)は「ここまで県民を愚弄するのか…」と絶句。政府が原案に、一部訓練の県外移転による沖縄の負担軽減策を盛り込んだことに対して「取って付けたようで、いまさら何を言っているのかという思いだ」と批判した。
訓練移転などの候補地とされた鹿児島県・徳之島では、大久幸助天城町長が「絶対に受け入れられない。政府は礼儀を失している」と強く反発。大久保明伊仙町長も「島の民意は伝えており、私としてはこれ以上(政府側と)会う必要はない」と述べ、交渉に応じない姿勢を強調した。
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