ホーム > 相撲 > 相撲最新紙面記事

稀勢の里“ボクシング効果”で3連勝

 稀勢の里が寄り切りで北太樹を破る=両国国技館
 稀勢の里が寄り切りで北太樹を破る=両国国技館

 「大相撲夏場所3日目」(11日、両国国技館)

 関脇稀勢の里が北太樹を寄り切って、三役としては自身初めてとなる初日からの3連勝を飾った。好調の一因に、以前からファンだというボクシングを挙げ、元世界王者の長谷川穂積や、世界5階級制覇のマニー・パッキャオ(フィリピン)ら名選手の駆け引きを学んでいることを挙げた。横綱白鵬は雅山を寄り切り、初場所14日目からの連勝を20に伸ばした。

  ◇  ◇

 ジャブのような高速右張り手から、左差しで相手を崩す。右上手をつかみ、ジリジリ寄り切り。稀勢の里が理詰めの相撲で白星を重ねた。「ちょっと腰が高かった。まあ勝ったからいいけど」。快勝にも、反省を忘れない冷静さも兼ね備えていた。

 188センチ、171キロの体格を生かし、馬力のある攻めが魅力だった。半面、勝負を焦って下位に取りこぼすことも多かった。過去、三役では初日からの連勝が一度もなく、大関昇進の足場すら作れずにいた。

 変身の一因は以前から好きだったボクシングだ。師匠の鳴戸親方(元横綱隆の里)の勧めもあり、4月30日に行われた長谷川、西岡のダブル世界戦を観戦。「同じ1対1の格闘技。学ぶところはいっぱいある」と、世界トップの駆け引きを体感した。

 パッキャオのDVDを報道陣におねだりし、テレビ観戦用にWOWOWへの加入も検討中。ボクシングへの傾倒を深めており、「基本が大事ってことじゃない?」と稀勢の里。ストイックなボクシングの世界に触れ、万年大関候補からの脱却はなるか。

(2010年5月13日)
Copyright(C) 2010 デイリースポーツ/神戸新聞社 All Rights Reserved.
ホームページに掲載の記事、写真などの無断転載、加工しての使用などは一切禁止します。ご注意下さい。
当サイトは「Microsoft Internet Explorer 4.x」「Netscape Navigator/Communicator 6.x」以上を推奨しています
Email : dsmaster@daily.co.jp