学パロ
『2-B、ギルベルト・バイルシュミット、至急生徒会長室に来い。』
生徒たちの雑踏と談笑の笑い声が入り交じり、がやがやと賑やかな昼休みの廊下。ギルベルト・バイルシュミットは昼食の調達の為に賑わった廊下をすり抜け、足早に購買部に向かっていた。
何せお気に入りの購買部のメロンパンと牛乳プリンは人気が高く、早く行かねば売り切れてしまうのだ。あいにく今日のギルベルトはどうしてもメロンパン+牛乳プリンの甘ったるい昼食な気分だった。それなのに売り切れられては堪らない、と更に歩みを早めていた。
そんな最中の生徒会長様の御呼び立てなんて、当然ギルベルトの耳に届くわけもなく、スピーカー音はただ、生徒たちの笑い声に吸い込まれて行った。そして当の生徒会長様はこの事実を知る訳もなく、一人生徒会長室で腹を立てながらギルベルトの到着を待ち侘びていた。
「おばちゃん、メロンパンと牛乳プリン、あ、あとそのホットドックみたいなのもくれ!」
無事にお望みの昼食をゲットしたギルベルトは、意気揚々と悪友達の待つ屋上へ足軽に向かって行った。
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「あれ、ギル、こんな所に居て大丈夫なん?」
日当たりの良い、コンクリートの床に寝そべりながらイチゴ牛乳をちびちびと口に運び、焼きそばパンを頬張っているアントーニョ。もぐもぐと咀嚼しながら焼きそばを食べるものだから、こぼしそうになりながらもギルベルトに言った。と同時にぽろり、と焼きそばがコンクリートに落ちる。
「お前、食うか喋るかどっちかにしろよ」
アントーニョの前にどかっと腰を下ろすと奴は翠の目玉をぱちくりとさせ、信じられへん!というような表情でこちらを見てきた。
「天下の眉毛生徒会長様のご命令もギルには関係ない、ってか」
「いや、なんの話だよ!?アーサーがどうかしたのか?」
これまたアントーニョは目玉をぱちくりとまばたかせ、何とも言い難い表情でギルベルトを見つめた。
「……、何でもあらへんよ。」
「嘘だ、絶対なんかあるだろ、アーサーが何かやらかしたのか?」
寝そべるアントーニョを無理矢理起こしてゆさゆさと肩を揺するが、一向に口を割ろうとはしない。
「……知らない方が幸せな事だって世の中にはぎょうさんあるんやでー…」
「は?、だからなんなんだよおおおお!!」
そう言ってアントーニョはまたイチゴ牛乳のストローをくわえ直した。
「そういやフランシス、は」
先程から屋上にいたのはアントーニョだけで、フランシスの姿が見当たらない。そんな時はたいてい欠席もしくは保健室の美人教師を適当にいいくるめて早退か、そのどちらかなのだが。
「あー、フランシスなぁ。さっき見たけど…」
ドカン、
勢いよく屋上の錆びた鉄扉が開かれた。あまりの轟音に思わず苦労してゲットしたメロンパンを地面に落としそうになってしまった。
「はぁっ、ギルちゃん…、こんなところにっ……」
開いた扉の向こうに立っていたのは肩で息をしたフランシスだった。
「おぉ、フランシス遅かったな!先に飯食って…」
「飯なんか後にして、早くっ…、坊ちゃんのとこに……」
息も絶え絶えにフランシスはそう言うとくたりと地面に倒れ込んだ。
「は?何の話だよ?俺様が何かやらかしたっていうのか…
「やらかしたから呼ばれたに決まってるやん」
おー、眉毛様はお怒りやでー、なんて他人事のアントーニョはケタケタ笑いながらふたたびストローをくわえ直した。
斯くして、ギルベルトは訳も分からないまま、生徒会長様の元へ向かう事になったのであった。
っていう所で切れてて続きが出てこない/(^O^)\
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