高見盛が普天間問題なごませる?/夏場所
<大相撲夏場所>◇3日目◇11日◇両国国技館
4日目の今日12日に34歳の誕生日を迎える西前頭13枚目の高見盛(東関)が、沖縄の普天間基地移設問題などでギクシャクしている日米関係の“癒やし”になる。米国防総省環太平洋地区教育委員会最高責任者のダイアナ・オーマン将軍が、4日目観戦のため沖縄から上京。大の相撲好きの同将軍は、土俵前の朝げいこで高見盛を激励する予定だ。この日、豪風(30)を押し出しで破って2勝1敗とした角界一の人気者にかかる期待は、土俵外にまで及び始めた。
高見盛はご機嫌だった。降りしきる雨の中、番傘をさして白星の余韻にひたりながら引き揚げた。すれ違う小学生に握手を求められると笑顔で応じた。「オレは優しいんだよ」。そんな気は優しくて力持ちの人気者は、誕生日に意外な人物の訪問を受けることになった。米国防総省のオーマン将軍だ。「おかげさまで顔は広いから、それを生かせるのなら、それが相撲界のためになるなら何でも協力する」。普天間基地移設問題で渦中の沖縄から来る女性将軍を歓迎した。
大の相撲好きという同将軍は4日目を観戦。さらに、両国国技館入りする前に朝げいこを見学したいと要望し、テレビCMなどでも人気の高見盛が所属する東関部屋に白羽の矢が立った。「そうやって報道されれば、日本人でも米国人でも、相撲に興味を持つ子どもたちがいるかもしれない。オレも34歳になるし、先は長くないけど、子どもたちにしか未来はつくれない」。雨の中で立ち止まり、政治家の演説顔負けの熱弁を振るった。
もちろん、この日の土俵でも熱かった。豪風を左差しの体勢から、最後は押し出して完勝した。この日の入場残券は4158枚。日本相撲協会が集計を始めた97年夏場所以降、ワースト記録だった2日目の4973枚ほどではなかったが、低迷する相撲人気を支えている。
今場所は西前頭13枚目。負け越せば02年春場所から8年以上も続く、幕内から陥落する危機にある。それでも地元青森・板柳町の後援会は、来年1月に町民を募った2度目の応援ツアーを計画。懸賞を出す永谷園の広報担当者は「我々が高見盛関を応援する姿勢は同じ」と、変わらない支援を約束した。「若いやつがガンガン出てきてるけど、後援会のためじゃなく自分のため、相撲界のためにやれるだけやる」。相撲界も日米関係も、行く末の一端を高見盛が握っている。【高田文太】
[2010年5月12日8時46分 紙面から]
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