【社会】朝鮮人被害実態追い、沖縄へ移住 東京の小学校教師退職2010年5月12日 17時49分
総合学習のユニークな授業で知られる善元幸夫さん(59)が、沖縄戦で犠牲になった朝鮮半島出身者の被害実態を明らかにしようと、今春、東京の小学校教師を定年より1年早く辞め、那覇市に移住、調査を始めた。 きっかけは昨年夏、沖縄県糸満市の「平和の礎」に刻まれた朝鮮半島出身戦没者は446人なのに、近くの韓国人慰霊塔には犠牲者が「1万余」と記されているのに気付いたことだった。 「これだけの差をそのままにせず、調べ上げたい。今やるしかない」 当時、沖縄で弾薬を運ぶなどしていた軍夫や慰安婦の数と、犠牲者数の確定を目指して資料発掘を続け、6月には当時を知る人から聞き取りを予定。国が保管する関連名簿からも追跡する。 善元さんは、学ぶ面白さを重視した授業づくりや、多様な文化背景を持つ子どもたちが学び合う国際理解教育の実践で知られ、著作も多い。 1974年に教師となり、公立小で韓国や中国からの引き揚げ者の子どもに日本語を教える一方、多くの苦難の歴史を聞き、戦争の実態を知りたいと思い続けてきた。今回、「学校で教えながら放課後にできる話ではない。沖縄での先行研究に学んで頑張りたい」と、思い切って退職した。 (共同)
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