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【静岡】

透明無地のレジ袋が波紋 浜松市のごみ出しルール

2010年5月12日

ドラッグストアが配布『家庭で使い道』

透明無地で見分けが付かない指定ごみ袋とドラッグストアのレジ袋(右)=浜松市内で

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 レジ袋の使用を制限する浜松市のごみ出しの新ルールをめぐり、地元大手のドラッグストアがレジ袋を透明無地に切り替えて配り始めた。このレジ袋は、市が指定する市販の手提げタイプのごみ袋と見分けることは不可能に近い。店側は顧客視点を掲げるが、レジ袋を有料化してごみの減量を目指す市側は「趣旨と異なる」と悩ましげだ。

 レジ袋を全面刷新したのは、市内に約30店舗を展開する「杏林堂」(浜松市中区)。半透明で店のロゴが入っていたのを、4月から無色透明でロゴのないタイプに変えた。同社は市のごみ出しルール変更を受けた対応として認め、「少しでも家庭での使い道を増やせるように配慮した」と説明する。

 透明無地のレジ袋をめぐっては、4月のルール変更前から「市販のごみ袋の手提げタイプと見分けられるのか」との疑問が上がっていた。市は「収集段階では区別できない」としつつも、「レジ袋削減とつじつまが合わなくなる」と、ごみ袋としては認めていない。

 市は2008年以降、スーパーを中心に37社(計141店舗)とレジ袋の無料配布を中止する協定を結んでいるが、ドラッグストアや100円ショップからは敬遠されている。

 杏林堂は生理用品などの商品も扱っていることを挙げ、「裸では商品を渡しにくい。全国大手の同業他社が多く進出してきており、レジ袋を有料化すれば、客を取られてしまう」と指摘。代わりにマイバッグ持参客にエコポイントをつける制度を導入する予定だ。

 市内で13店舗を展開する100円ショップ「セリア」(岐阜県大垣市)では、客がマイバッグを持参していることを示す「ノー・レジ袋カード」をレジの手前に設置。不必要なレジ袋を配らないようにしているが、「有料化はコンビニも踏み切れない状況なので難しい」と慎重だ。

 08年にレジ袋有料化を始めた名古屋市では、当初から主要ドラッグストア2社が有料化協定を締結したことで、同業他社も足並みをそろえた。現在はドラッグストアだけで11社(計151店舗)が協定。同市は「交渉は大変だったが、最後は社会貢献を理由に賛同してくれた」と振り返る。

 一方の浜松市は、ごみ出しルール変更がレジ袋有料化の広がりに結び付いておらず、昨年9月以降、新たに有料化協定に応じる店舗は出ていない。ドラッグストア業界などと会合を重ねている市の担当者は「大手が先に手を挙げてくれれば」と期待をかけている。

浜松市のごみ出しのルール変更 4月から集積所に出せるごみ袋は指定の市販品に限られ、規格は透明・半透明で45リットル以内のポリエチレン製。レジ袋をごみ袋として出すことは、これまで認めてきた旧浜松市内で禁止された。生ごみなどを小分けして大きなごみ袋に入れる「内袋」としての使用は市内全域で自粛を求められた。

 

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