今春の卒・入学式で、国歌斉唱の際、教職員が起立しなかった学校が卒業式で96校、入学式で68校あったことが11日、道教委の調査で分かった。国歌斉唱で起立するよう職務命令を出した14町教委が管轄する学校のうち、卒・入学式の各1校で教職員が起立せず、道教委は「厳正に対処したい」と関係者を処分する方針だ。
調査は、道内の公立小中高校と特別支援学校(札幌市立を除く)すべてを対象に実施。その結果、卒業式を行った1925校のうち96校(5・0%)、入学式を行った1847校のうち68校(3・7%)で、教職員の一部が国歌斉唱の際に起立をしなかった。
学校別では▽小学校計100校▽中学校計53校▽特別支援学校計11校で、高校はゼロ。地域別ではオホーツク(76校)、後志(37校)、十勝(24校)の順で、理由は「思想・良心の自由」を挙げる例が多かった。国旗掲揚・国歌斉唱は全校で実施され、学習指導要領で定められた小学校での国歌斉唱の指導はすべてで行われた。
道教委は3月、「国歌斉唱で教職員が起立することは社会通念上当然」とする通知を出しており、「職務命令に違反した教職員は地元の教育委員会の報告を基に処分を検討したい」(義務教育課)としている。調査は北海道教職員組合(北教組)による政治資金規正法違反事件を発端に実施。市町村教委に調査を依頼する一方、393校に職員を派遣して実情把握に努めた。また道教委は組合活動等実態調査も行っている。【千々部一好】
毎日新聞 2010年5月12日 地方版