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週刊「まちぶら」

【週刊 まちぶら】

甲子園口商店街かいわい

2009年09月21日

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甲子園口商店街中心部にある稲荷神社。この神社にちなんで商店街のキャラクター「コウちゃん」(左上)が生まれた=西宮市甲子園口3丁目

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7月の知事選・県議補選で投票率アップを呼びかけるコウちゃん(左)。地域のさまざまなイベントで活躍中だ=JR甲子園口駅前

JR甲子園口駅南口と国道2号を結ぶ県道沿い約600メートルに、約200の店が軒を連ねる。甲子園口商店街は戦後の長い間、大勢の西宮市民でごった返す繁華街だった。震災などの影響で往時の勢いはなくなり、街の風景も変わったが、今でも人情味あふれる商店は健在だ。新旧入り交じる市内最大級の商店街を歩いた。(小池竜太)

甲子園口商店街は、駅前商店街、センター街、中央商店街、本通南商店街の総称だ。1934年、地元の要望で甲子園口駅が開業。周辺は住宅地として整備された。その後、商店街が形成され、阪神間屈指の繁華街に育っていったという。
 商店街のほぼ中央に小さなお稲荷さんがある。その石灯籠(とう・ろう)に「甲子園劇場」の文字を見つけた。
 「昔、この辺りには映画館が3軒あってね。センター街は『劇場通り』と呼ばれていたんです」。センター街でおもちゃ屋「小西玩具店」を営む小西皓さん(72)が教えてくれた。
 少年時代の話というから、50年以上は前のことだ。当時、商店街と隣接していた「甲子園市場」はいつも大勢の人出で歩けないほどの活況だったという。だが甲子園市場は92年に火災で焼失。95年の阪神大震災も重なり、商店街の店舗数は次第に減っていった。
 それでも「世間話をしたり、旬の食材や調理法まで教えてくれたりする人情味あふれた店はまだまだあるよ」と小西さん。新しいマンションや飲食店などとともに、昔ながらの魚屋、肉屋、青果店、喫茶店など多種多彩な店が今も点在している。根強いファンは多いそうだ。
 新たな名物も育ちつつある。代表例が08年夏に誕生した商店街のキャラクター「コウちゃん」。お稲荷さんにちなみ、キツネをモチーフにした「ゆるキャラ」だ。
 イベントや祭りへの参加を通じ、「地元ではだいぶん人気者になってきました」と甲子園口商店連合会広報の佐々木裕昭さん(47)は話す。グッズの商品化も進めており、松原末治会長(63)は「集客の起爆剤に育てていけたら」と期待している。

◆ <朝山製パン所>
 食パンは小型(160円)や特上上食(250円)など材料や形によって5種類。パン粉も1袋90円で販売している。火曜定休。【電】0798・66・0578【所】西宮市甲子園口3丁目16―15
 <ライト洋菓子店>
 ザッハトルテはホールが1740円、カットが290円。いちじくのショートケーキ(330円)やマスクメロンのショートケーキ(340円)など果物のケーキも人気がある。木曜定休。【電】0798・67・2963【所】西宮市甲子園口2丁目3―30
 <洋食キッチン「ひのや」>
 ビーフカレーは800円。揚げておらず低カロリーの「焼きかつ」(定食で1050円)も名物の一つだ。15席。営業時間は11時半〜15時、17時〜22時。火曜定休。【電】0798・65・6139【所】西宮市甲子園口3丁目21―6
 <てん神>
 あん、カスタードのたい焼きは1個130円。あんとカスタードが一緒に入った「ごぶごぶたいやき」は150円。たこ焼き(6個280円から)も販売している。月曜定休。【電】0798・66・5828【所】西宮市甲子園口3丁目16―14
 <コウちゃん>
 全国から公募し、応募があった445作品の中から選ばれた。販売はしていないが、ノートやメモ帳、ステッカーなどのグッズはすでにあり、商店街イベントの景品として活用している。08年12月にはお稲荷さんの近くに空き店舗を利用した「コウちゃんの家」(西宮市甲子園口2丁目10―31)もオープン。最近は活躍の場が増えて留守がちだが、運が良ければコウちゃんに会うことができる。

◆JR神戸線の甲子園口駅を下車。南口を出ると、駅前商店街までは徒歩すぐ。

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