ここから本文エリア 自転車シェア 期待乗せて2010年05月09日
富山に続き北九州でも事業化 利点「待たずに乗れる」 自転車を街中のあちこちで好きな時に借りて返却できる「コミュニティーサイクル」が富山市で国内で初めて事業化されて一カ月半。利用者も徐々に増えてきた。続いて北九州市でも事業化されたこの仕組みは、バスなどと並ぶ新たな公共交通となる可能性も秘めている。(小山謙太郎) 使いこなす人は?富山市内で利用者に尋ねてみた。 「ステーション」と呼ばれる無人の拠点。6日夕、買い物袋を提げたパート職員古畑久仁子さん(57)が、乗ってきた自転車をここに返していた。自宅は歩いてすぐ。「1日、2〜4回は乗るかな」 朝は自宅近くから職場前までの1キロ、勤め帰りはスーパーや図書館に寄って2キロほど。「雨が降ったときは、路面電車に乗り換えて帰宅してしまう。自分の自転車よりも融通が利きます」 脱マイカー提唱 富山駅まで電車で来て、自転車に乗り換える利用者も多く、市が提唱する脱マイカーへの期待がかかる。会社員男性(54)は「バスや路面電車と違い、待たずに乗れるのがいい」と話す。 3月20日から利用が始まり、4月30日時点で登録者は719人。計5404回の利用があった。自転車は150台が用意されているものの、1日あたりの延べ利用回数は132回にとどまる。 市から運営を委託されているシクロシティ(東京都)は、「4月は肌寒い日が多かった。これから暖かくなれば増えていくのでは」と期待する。宿泊客へのサービスに使いたいとホテルから法人契約の打診もあるという。「富山で成功すれば他都市にも広げたい。広告効果のある大都市への展開が考えられる」 役所とも契約へ 北九州市では、駐輪場や観光貸自転車を運営してきたNPO法人が小倉駅を中心に拠点10カ所を置き、3月27日から事業を始めた。 こちらは電動自転車。24時間借り出せて基本料金は月525円。利用時間の累積1時間ごとに105円かかる。 5月6日現在、一般会員は85人。会員が250人集まれば運営費を賄えるという。市役所の各部署と団体契約をする予定で、企業にも「外回りに使って」と呼びかける。 拠点設置などの初期投資には、両事業ともに国から1億円を超す補助金が出ている。自転車政策に詳しい古倉宗治・住信基礎研究所研究理事は「公共交通ととらえれば、新幹線や道路と同じインフラ整備だと言える。ただし自転車の潜在需要に見合う規模にすることが大切」としている。
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