横浜地裁(朝山芳史裁判長)で11日あった強盗強姦(ごうかん)事件の裁判員裁判で、検察側は、元病院事務員の新谷大和被告(35)=横浜市旭区=が被害者の顔をデジタルカメラで撮影し、「裁判員制度になったから、おれが捕まったらみんなが顔を見るぞ」と口止めしていたと主張した。一方で、検察側はこれらの写真や動画を証拠として提出せず、内容を文章で説明した資料を裁判員に配って黙読するよう促したうえで、概要だけを法廷で読み上げた。
新谷被告の裁判員裁判はこの日始まり、女性2人、男性4人の裁判員が選任された。この日の公判で、新谷被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。検察側は冒頭陳述のなかで、口止め行為に触れた。被害者について検察側は、年齢を明らかにするにとどめ、住所も「横浜市内」とだけ述べた。
起訴状によると、新谷被告は昨年7月24日、横浜市の女性(当時25)宅に侵入し、現金2千円を奪って暴行したとされる。この強盗強姦事件のほか、同年7、8月に起きた類似の3事件でも強盗強姦、同未遂、強制わいせつなどの罪で起訴された。
検察側によれば、被告はすべての事件で犯行の最中に多数の写真や動画をデジタルカメラで撮影し、「ばらまくぞ」などと脅迫したという。(太田泉生)