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野良猫にエサ、愛護?迷惑? 将棋元名人訴訟13日判決(1/2ページ)

2010年5月12日15時7分

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写真:訴訟の舞台となった高級テラスハウス=東京都三鷹市訴訟の舞台となった高級テラスハウス=東京都三鷹市

 集合住宅に集まる野良猫に、将棋の元名人の加藤一二三(ひふみ)・九段=東京都三鷹市=が餌をやり続けたために悪臭などが発生し苦痛を受けたとして、近隣住民らが、加藤さんに餌やりの中止や慰謝料など約640万円の支払いを求めた訴訟の判決が13日、東京地裁立川支部で言い渡される。マンションや住宅地での動物飼育をめぐっては、「動物愛護」と「環境権」の観点から、全国でトラブルが相次いでおり、裁判所の判断が注目されている。

 訴訟の舞台は、三鷹市内にある庭付き2階建ての高級テラスハウス。5戸が壁を接して一つの建物を形成しており、全10戸が2棟に分かれて並んでいる。

 原告住民側によると、加藤九段は1993年ごろから、自宅の庭などで朝晩、チラシなどの上に餌を置き、野良猫にやるようになった。今は3、4匹程度だが、多い時は十数匹の猫が集まり、尿やふんで異臭が漂ったり、車にひっかき傷をつけられたりしたという。住民は、加藤さんに、「餌をやらないで」と注意したものの、応じなかったといい、08年、加藤さんを除く9戸が原告となり東京地裁立川支部に提訴した。

 原告でハウスの管理組合の島谷清理事長(85)は「管理規約に『他の居住者に迷惑を及ぼす恐れのある動物を飼育しない』とある。ルールを守ってほしい」と訴える。

 訴えに対し、加藤さんは徹底抗戦の構えだ。「海外旅行から帰ると、自宅の庭で子猫が生まれていた。餌をやらないと死んでしまうので餌をやり続けた」と説明。猫が増えないよう、去勢手術もしているとし、「餌は、自分の敷地内で常識の範囲でやっている。野良猫で(私は)飼ってはおらず、(管理規約にある)『迷惑を及ぼす恐れのある動物』でもない。私はクリスチャンであり、動物愛護の観点からも餌やりをやめるつもりはない」と主張する。

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