埼玉県飯能市の山林にペットの犬や猫の死体が多数捨てられた事件を受け、環境省は、これまで規制がなかったペット葬祭業者を登録制とする方針を固めた。ペットの「おくりびと」として法的な位置づけをはっきりさせる。動物愛護法の改正を視野に検討する。
現行の法制度では、ペットの販売や訓練にかかわる業者は都道府県への登録が義務づけられている。だが、最近になって増えてきたペット葬祭業者は対象になっていない。全国に500〜600社あるとみられているものの、法の目が届いていなかった。
飯能市の事件をめぐって今年4月にペット葬祭業者の男が廃棄物処理法違反容疑で逮捕されたのを受け、小沢鋭仁環境相は悪質な業者を直接取り締まる法制度が必要だと判断。検討の結果、登録制導入で対応することにした。
当初は、「ペットの死体」を明確に廃棄物扱いとし、ペット葬祭業者に廃棄物処理業の許可をとらせることも検討した。だが、この案は「国民感情にあわない」(環境省幹部)として見送った。これまでは主に「生きている動物」を対象としていた動物愛護法で、動物の死体の適切な扱い方を規定する方針だ。(長富由希子)