80歳の女性、自宅で餓死＝苦労して育てた息子3人に実質遺棄され―北京市

2010年5月12日、京華時報は記事「80歳の母、息子に捨てられ自宅で餓死」を掲載した。

2009年4月9日、北京市通州区張家湾鎮張辛庄村で、80歳の女性・柴さんが自宅で死亡しているのが発見された。検視の結果、発見の10〜15日前には死亡していたことがわかったが、食中毒などの症状は認められず死因はわからなかった。

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2回目の検視が行われた後、担当の法医は激怒し、息子たちを怒鳴りつけた。「おまえたちは本当に息子なのか。お母さんは餓死したんだ」。長期間、何も食べていなかったせいで、胃は紙切れのように薄くなっていたという。

柴さんには5人の息子がいた。世話をしていたのは五男だったが、07年、アルコール中毒で死亡した。その後は4人の息子が3か月ずつ交代で面倒を見ることになった。それから約1年後の08年末、問題が起きる。長男が「家を建てた時の借金は自分が返した。母の家の所有権は自分にある」と主張したが、柴さんは「家は自分のものだ」と言い返した。不満に思う長男と他の兄弟の間で殴り合いのケンカになったという。

ケンカによって長男が負傷。そのため、本来ならば長男が担当するはずの09年1〜3月の世話は、怪我をさせた次男が担当した。続く4〜6月は元々の取り決めでは次男の担当だった。しかしもう担当を終えたと考えた次男とまだ自分の番ではないと考えていた三男との交代がうまくいかず、誰も柴さんの面倒を見なくなり、悲劇が起きた。

検察は遺棄罪にあたるとして、長男、次男、三男の刑事責任を問うた。裁判所に出廷した3人は、自分たちには責任はないと主張。それどころか、母親の年金や残った家の分割について醜く言い争っていたという。2010年4月29日、通州区人民法院は3人に懲役2〜3年の刑を下した。

「母は私たち5人を本当に可愛がってくれました。多くを犠牲にしてきました。」そう話すのは四男の程一石（チェン・イーシー）さん。「大躍進」の時代、子どもたちはまだ小さく、生活は苦しかった。柴さんは村の片隅の荒れ地を耕し、落花生やダイコンを栽培して売り、どうにかしのいでいた。当時の旧正月を一石さんは今でもよく覚えている。なんとか子どもたちに旧正月らしいご飯を食べさせてあげたい。そう考えた柴さんは子どもを背負ったまま、近所の家を回りおからを分けてもらった。そのおからで旧正月の料理を作ってくれたという。（翻訳・編集/KT）

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