鳩山氏は「がっかりするほど、らしかった」と英誌 もっと議論すべきなのは
■本日の言葉「bombshell」(爆弾、爆弾発言)■
英語メディアが伝える「JAPAN」をご紹介するこのコラム、改めて火曜日で再開いたします。今週は、普天間移設問題で「爆弾発言」を放った鳩山由紀夫総理を英誌『エコノミスト』が「がっかりするほど、らしかった」と評した話、普天間問題が「茶番」とか「愚行」とか呼ばれている話、そして「アメリカを助けられない日本」について米国防関係者がどう考えているかなど、英米豪の記事3本をご紹介します。(gooニュース 加藤祐子)
○「普天間の茶番」と
連休を挟んでお休みをいただきましたこのコラム、再開後もよろしくお願いします。今週はまず、鳩山首相の「公約ではない」発言についてです。沖縄訪問を終えて、「最低でも県外」が「公約という言い方はあれです。選挙の時の党の考え方です。党としてではなく私自身の代表としての発言です。その自分の発言の重みは感じています」と言った、あれです。
4日のこの発言を、英経済誌『エコノミスト』は「普天間の茶番(= farce) 」という見出しの6日付記事で取り上げ、「bombshell = 爆弾」と呼びました。壊滅的な破壊力のある爆弾発言のことを、英語でもそのまま「bombshell」と言います(爆発的な破壊力のある金髪美人を「blonde bombshell」と言って、Bで始まる言葉同士を重ねた頭韻を楽しんだりもしますが、それは全く別の話です)。
blonde bombshellどころか『エコノミスト』は「もともと政治家としての重みや風格(=gravitas) を備えた人物ではない」と鳩山氏を描写。だから今回の発言も「がっかりするほど、らしかった(=dispiritingly in-character)」というのです。
そしてこの鳩山爆弾発言は「アメリカがもう何カ月も待ち続けていた、変心(=change of heart)」のように聞こえた」と。ただしアメリカはこの爆弾発言を歓迎するどころではなく、首相の沖縄訪問後にワシントンから聞こえてくるのは「ominous (不吉な、不穏な、重々しい)」沈黙ばかりだと。
いかにオバマ政権が鳩山政権、あるいは鳩山首相を信頼しなくなっているかというのは、主に『ワシントン・ポスト』や『ウォールストリート・ジャーナル』が繰り返し書いてきましたが、いよいよ英誌エコノミストまで。
いわく、ワシントンの重々しい沈黙は「鳩山氏自身に対する明らかな信頼の欠如を、雄弁に語っている(speaking eloquently of an apparent lack of faith in Mr Hatoyama himself)」という評価です。
ワシントンの沈黙だけでなく、沖縄や徳之島からは激しい罵声や抗議の声が鳩山氏には向けられているため、夏の参院選では鳩山民主党は大きな代償を払うことになるだろう。仮に鳩山氏が辞任したとしても、後任は同じ「普天間トラップ」に陥るだろう——。同誌はそう書いています。関係各者がお互いに融通し合い、協調しないことには、解決策はないと。
更に言うと、この記事に対する読者コメント欄には、「米軍は鳩山政権を追い詰めずに、沖縄をさっさと出るべきだった」「鳩山はまず地位協定の問題に取り組むべきだったんだよ」「北朝鮮に対する抑止力が必要だというなら、日本が自分で何とかすればいい」「米軍が沖縄を出れば台湾を見放すことになり、そうしたら地域の緊張は一気に高まるから無理だ」など、事態を冷静かつ戦略的に論じる意見が並んでいて、「さすがエコノミスト!」とつい感心しました。
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