医師不足に悩む県立志摩病院(志摩市阿児町)の内科で、三重大医学部から派遣されている6人の常勤医のうち、今夏までに1人が開業のため退職、2人が同医学部の医局の異動対象になっており、減員となる可能性があることが11日、分かった。県病院事業庁は「補充や非常勤医による対応などを三重大側と調整中で、今後も現状の診療体制が確保できるようにしたい」としている。
同病院の常勤内科医は09年3月末まで12人おり、昼夜とも2次救急医療体制を維持してきた。しかし、同年4月に独立開業などで3人が減り、さらに同年11月末に2人が減員となった。また、3月末に1人が他の病院に移ったため、内科系の救急医療体制を縮小し、現在は6人の常勤医と約10人の非常勤医で、平日は水曜日と金曜日だけ、土・日曜日は3週間に1回の対応のみとなっている。
一方、県は県立病院改革の基本方針で、12年4月をめどに同病院に指定管理者制度を導入する方針を打ち出している。地元住民からは早期の医師不足解消を求める声が強く、野呂昭彦知事は10日の県議会全員協議会で「指定管理のための手続きを前倒ししたい」と述べ、指定管理者制度導入時期を可能な限り早める考えを示した。【田中功一】
〔三重版〕
毎日新聞 2010年5月12日 地方版