日本、中国、韓国の3国の国立図書館は6月下旬にも協定を結び、各館が電子化した書籍をインターネットで検索し、読めるようにする共通の仕組みを作る方針を固めた。自宅のパソコンなどから自国語で検索しても、翻訳機能などにより、他国の蔵書を簡単に見つけられるようにする。
提携するのは日本の国立国会図書館と中国国家図書館、韓国国立中央図書館。1、2年以内のサービス開始を目指す。公開する数は未定だが、各館が電子化した書籍から選ぶ。使い方は、言葉を入力すると、他国語に変換して横断的に検索できるようにし、いずれは本文も自動翻訳して各国語で読めるようにしたいという。
各館はこれまで独自に電子化を進めてきた。日本は明治・大正期の書籍約16万点を公開。中国は現代の中国語図書のほか、甲骨文字の文献なども電子化し、約72万点を公開している。韓国も約21万点をネットで公開している。
これまでの協議で、3館で「中日韓デジタル図書館推進協議会(CJKDLI)」(仮称)を設立し、運営の統括組織を館長級で作ることなどを合意。6月下旬以降、正式に協定を結ぶ予定だ。
複数の国や地域が連携した同様のサービスとしては、欧州連合(EU)加盟国の図書館などが参加する「ヨーロピアーナ」(700万点以上)などがある。国会図書館は、「アジア圏では国をまたいだ初の『電子図書館』になる」としている。(赤田康和)