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【大相撲】

魁皇が通算994勝

2010年5月12日 紙面から

魁皇(右)ははたき込みで栃煌山を下す=両国国技館で

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◇夏場所 3日目

 大関魁皇(37)=友綱部屋=が小結栃煌山をはたき込み3連勝。通算1000勝まであと6勝とした。2場所連続14度目の優勝を狙う横綱白鵬(25)=宮城野部屋=は、雅山を難なく寄り切って全勝を守り、初場所14日目から続く連勝を20に伸ばした。新大関把瑠都も小結琴奨菊を寄り切り、土つかず。このほか関脇稀勢の里、平幕朝赤龍、阿覧、霜鳳の7人が3連勝。

 満身創痍(そうい)の37歳魁皇だが、一番の特効薬は白星だ。この日の対戦相手は14歳下の大関候補、栃煌山だった。頭を低く出てきたホープに対し、魁皇は真っすぐ当たって、相手の頭を押さえて一瞬のはたき込み。“省エネ殺法”で料理した。

 「相手の頭があれだけ低いんで、ああなった」。照れ笑いを浮かべながら、魁皇は相撲を振り返った。「全然いい相撲じゃあない、引いてばっかり。でも勝てているから」

 魁皇は前日の雅山戦で、薄氷の白星。土俵の4分の3を回り込むサーカス相撲を演じた。勝ったあと土俵下で思わず座り込みそうになった。「きのうの相撲で腰が痛くなった。右足も力が入らないんだ」。報道陣の1人から「きのうは1本足で残したのは自信になったでしょう」という場違いな質問も出たが、魁皇は「今さら自信なんてないよ」と笑ってかわした。

 場所直前、両国国技館に掲げられていた魁皇の最後の優勝額(04年秋)が取り外された。「消えた? 正直言って気にしていなかった。場内で額を見ることもないし、考えることもない」。もっとも今場所に優勝できれば再び掲揚されることになるが、それが現実になることは今の状況からは厳しいが。

 初日から3連勝は昨年の初場所以来。「内容は悪いけど、とりあえず勝っている。攻める相撲で勝てればいいんだが」。内容はともかく、これで994勝、千代の富士(現九重親方)に次ぐ2人目の1000勝へ「6」。カウントダウンが始まった。 (近藤昭和)

 

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