ボールを上に放り投げる吉見=ナゴヤドームで(榎戸直紀撮影)
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12日のソフトバンク戦(ナゴヤドーム)で交流戦の開幕投手となることが予想される中日の吉見一起投手(25)が11日、熱投を力強く誓った。交流戦は通算6勝1敗、防御率1・11の驚異の成績を残している。史上最多の通算14勝を挙げている川上憲伸(ブレーブス)を継いで、2代目・交流戦男を襲名だ。一方、不調で中継ぎ待機が濃厚なチェン・ウェイン投手(24)は「けがをしたのと一緒。時間が掛かるかもしれない」と弱気な言葉が口をついた。
落ち着き払って登板前日の調整を終えた。吉見はキャッチボールやダッシュなどで汗を流し「一球一球気持ちを込めて投げるだけです」と、力みのないコメントを残した。
「マウンドに立って、相手打者と向き合ったら、感じるものがあると思う。打者の特徴をつかみながら投げていきたいです」。救援で12試合登板した08年は3勝を挙げて防御率0・98。翌09年は5試合に先発して3勝1敗で防御率は1・16。規定投球回数を満たした中では1・15でトップのダルビッシュ(日本ハム)にきん差の2位。セ・リーグでは断トツだった。「自分は自分で、いっぱい、いっぱいですから」と謙遜(けんそん)するが、これほど頼りになる男はいない。
まずは12日のソフトバンク戦。相手は初の3連覇を狙う交流戦王者だが「どこが相手でも一緒ですが、1、2番を出さないようにしっかりと投げたい」と吉見。昨年の交流戦MVPで現在パ・リーグ首位打者の川崎と13犠打(リーグ2位)を決めている本多の1、2番コンビを封じることが、ポイントになるとイメージする。
今季は開幕時こそ本調子ではなかったが、悪いなりの投球術も身につけ、気付けば5連勝。ハーラーダービートップの東野(巨人)に1差につけて、連続最多勝へ向けて、好スタートを切ったかたちだ。
「交流戦だからといって区切るような考え方はしていません。今までの続きです」。交流戦は長期連戦がなく、順当にローテーションが回れば吉見は6試合の先発が見込まれる。総24試合の4分の1を担うエースが、チームを波に乗せる。 (中谷秀樹)
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