[PR]
ニュース:スポーツ RSS feed
【大相撲夏場所】魁皇、1000勝へカウントダウン
ひときわ大きな声援を受けて土俵に上がった魁皇。立ち合い、ぶつかると、右のかいなを栃煌山の首に回してグイと引き寄せる。わずか1秒あまりで期待の若手を料理してみせた。
初日から3連勝は昨年初場所以来。好調にも思えるが、「引いてばかりなんでね。勝ててるからいいようなもんで」と、不本意そうな表情だ。
3日間の決まり手は、すべてはたき込み。「相手の頭がやたら低いんでね、あれだけ頭下げられると…」。意図したものではないのだが、「自分から攻める相撲を取らないと、これから厳しくなる」と自らを戒める。
体の不調による不安定さは常態となった。取り組み後の支度部屋で、右ひざをアイシングするのは、もはや見慣れた光景だ。それでも初日、2日目は、しっかり足が動いての勝利だった。特に2日目は雅山を相手に約13秒、土俵を1周するほど動き回ってみせた。「影響? あるよ。腰が痛くってね」と笑いとばすが、体の切れには手応えを感じているようだ。
国技館館内に掲げられている優勝額は計32枚。平成16年秋場所で優勝した魁皇の最後の額は今場所前、はずされた。「聞かされると寂しいと思うけど、あまり気にしたことはなかった」。通算1000勝の大台まで、あと6。ベテラン大関は過去を振り返らず、一歩一歩前へ進む。(只木信昭)