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農家・戸別所得補償の申請、1か月で1割弱

 農林水産省は11日、4月1日から受け付けを始めた農家の戸別所得補償制度への参加申請が4月末時点で15万336件だったと発表した。

 制度の対象となるコメの販売農家180万戸の1割に満たない水準で、農水省では、多くの農家が5〜6月に農協などとコメの出荷契約手続きをとるのに合わせて申請すると見込んでいる。

 出足が鈍いのは、新制度の枠組みが固まったのが昨年末と遅かったためだ。制度に参加した農家に割り当てられる減反率の調整などが多くの地域で4月中まで行われた。

 このため、農水省は、各地域の農政事務所などを通じて、各農家に参加の呼びかけを強めている。

 戸別所得補償制度は、国などが設定した生産目標数量に従って減反を実施した農家にコメの生産費と販売額の差額を支給する仕組みで、農水省では、旧政権時代の生産調整(減反)政策よりも、「需給調整機能が強まり、米価が安定する」と説明している。

 一方、すでに不参加を決めている農家もある。「減農薬」で付加価値をつけたコメを消費者に直接販売してきた山形県飯豊町の農家・新野純一さんは、「今まで取引してきたお客さんのためにも、制度には参加できない」と語る。制度に参加した場合、補助金と引き換えに30%以上の減反が求められるためだ。卸売業者からは「農家に補助金が出ることで、流通段階で値下げ圧力が働く」という指摘も出ており、新制度によって米価が安定するのかどうかまだ不透明だ。

2010年5月11日20時58分  読売新聞)
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